書く言語環境の整備
西 條 陽 之

 教室にあると便利なものとしてホワイトボードがある。私は特に90㎝×60㎝の大型のものを愛用している。紙ベースのものよりも抵抗感が少ないため、普段なら手が止まってしまう子も「ちょっとやってみようかな」という気にさせることができる。班による話し合い活動では考えを列挙してグルーピングや思考の整理ができる。手順を並び変えたり矢印で関係を明らかにすることはアンプラグドプログラミングの導入に適している。係活動の掲示板としても重宝している。お知らせを書き込んだり、アンケートを募ったりと情報の扱い方を学ぶ環境づくりの一助となっている。

 2学期の4年生の学習に漢字しりとりがあった。熟語の下の音をとって次の熟語を作っていくというものである。ここでも特大ホワイトボードを活用することとした。グループでマーカーをバトンがわりに、大きく丁寧に熟語を書いていく。誰かが書いた熟語に対して「あ?、それもあったか」といったつぶやきがあったかと思えば、必死に辞書を引きながら書き手をサポートする子がみるみるうちに増えていった。ホワイトボードに埋められていった熟語の数々をデジタルテレビに映して鑑賞しその日の授業を終えた。

 書くことに抵抗感、苦手意識を持つ子は多い。少しでも「やってみよう」と思える授業づくりのためにも言語環境の整備は重要であると考えている。学習用語を掲示したり、いつでも原稿用紙をすぐに用意したりすることで書くことのハードルを少しでも下げていくこと、そして、回数を重ね自信をつけることが重要である。ホワイトボードはどちらかと言えば楽しさを演出するツールであるが、その楽しさは仲間とのコミュニケーションに裏付けられたものなのではないか。主体的で対話的な書く活動を実現するためにもさらに活躍してもらおうと思う。
(大津市立小野小)