音読と視写を核に
北 島 雅 晴

 2学期から2年生の担任をすることになった。今までに2年生を4回担任したことがあるが、その中でも一番にぎやかな学級だと感じる。私が何か一言話をすると、すぐに反応して口々に話し始める。どこかで止めなければ、いつまでも話が続きそうである。学習と関係のない話をしているわけではない。学習を乱そうとしているのでもない。集中して学習に向かうまでに、ちょっと時間がかかりすぎるかなという状況である。

 このエネルギーを押さえることはできそうにないので、何とか利用できるような取り組みを継続する必要がある。このエネルギーを音読に向けよう、集中できるように視写を取り入れようと考えた。その両者を兼ね備えているのが、詩を音読(暗誦)し、視写するのがよいと思いつき、子どもたちに合った詩の選定を行った。
 教科書(光村図書)には、坂田寛夫の作品「おおきくなあれ」がある。

 おおきくなあれ
      さかたひろお
 あめのつぶつぶ
 ブドウに はいれ
 ぷるん ぷるん ちゅるん
 ぷるん ぷるん ちゅるん
 おもくなれ
 あまくなれ  (後半部分省略)

 何度も音読した後で、この詩の好きなところ、「ぷるん」と「ちゅるん」の違い等を話し合った。

 その次に、上記の詩に引いた線の言葉の所に自分で考えた言葉を入れる学習を行った。簡単な詩づくりである。 「2学期が始まりましたが、2学期にこんなことができるようになりたい、こんなことをがんばりたいと思うことを考えて詩をつくってみよう。」
と働きかけた。次のような作品が完成した。

  おおきくなあれ
 あめのつぶつぶ
 わたしのゆびに はいれ
 ぷるん ぷるん ちゅるん
 ぷるん ぷるん ちゅるん
 じょうずになれ
 はやくひけるようになれ

  おおきくなあれ
 あめのつぶつぶ
 わたしのこころに はいれ
 ぷるん ぷるん ちゅるん
 ぷるん ぷるん ちゅるん
 つよくなれ
 もっとやさしくなれ

 2学期のめあてを真剣に考えるというよりも、言葉遊びの要素が強いが、楽しく詩づくりができた。子どもたちのエネルギーを詩の音読や視写を通して、強く学ぶ方向に導いていきたい。
(草津市立笠縫東小)