国語科の校内研究会で学ぶ
三 上 昌 男

 校内研究会に招かれ、国語科の授業作りについて、一緒に学ばせていただいています。校内研究で国語科の授業作りに取り組む基本として、次のようなことを大事に考えていただくよう、お話ししています。

◆授業づくりは、指導案づくりから。「めざす子どもの姿」を「身につけさせたい言語の力」と「子どもの実態」から明らかにすること。「具体的な題材(教材)の特質」と「ねらいにつながる言語活動の工夫」を考えること。これらのことをふまえ、評価規準を設定すること。つまり、「この教材で、こんな力を、この子らに、こんな方法で」という指導の筋道を具体化すること。

◆「どの子も意欲的に取り組める働きかけ」「どの子も参加できる話し合い」「どの子も自分の読みが持てる活動」「どの子も自分の力の伸びが自覚できるふり返り」など、「どの子も」をキーワードに授業を構想し、個に応じた指導と支援に努めること。

◆共同で教材研究や指導案検討を行うことで、授業者の思いがはっきりしてきたり、望ましい指導過程が見えてきたりすることがある。共に考え合うことは、授業研究を進める上で重要な場であると考える。もちろん練り上げた指導案であっても、実際の授業が指導者の思い通りに展開しないことはよくある。それが授業の難しさであり、おもしろさでもある。授業における子どもの姿を通して気付くこと、見えてくるものがあり、今後の指導に役立てる財産と考えたい。

 1学期に訪問させていただいた学校では、校内研究のテーマや研究方法に沿い、授業研究や教材研究に取り組んでおられます。
 話し合うことを指導事項に研究授業をされた6年生の学級では、個々への配慮や事前の指導により、司会者の進行に従い、どの子も自分の考えを述べる姿が見られ、評価されていました。  新学習指導要領解説では、話し合う指導事項「計画的に話し合う」ことについて、「話し合いを始める前に話し合いの内容、順序、時間配分等を事前に検討することに加えて、意見を一つにまとめるために話し合うのか、互いの考えを広げるために話し合うのかといった話し合いの目的や方向性を検討する」必要性が述べられています。
 話し合いの学習を成立させるためには、話し合いの目的から逸れずに、協力して進めることが肝要です。話し合い学習の筋道や役割を子どもたちが自覚していることが求められるのだと思います。それは、主体的な学び・対話的学びと深く関わっています。
(滋賀県総合教育センター)