第47回国語実践研究集団合同研究会で学んだこと
蜂 屋 正 雄

 合同研究会で提案をさせていただく機会を得た。
 提案は6年生の1学期の「書くこと」実践である。学年頭初から、個々の学習はしっかりと取り組む子供達であったが、交流・話し合い活動になると得意な子が学習を進めていることが多かった。一見、上手に意見をまとめて発表しているように見えるが、お互いの意見を聞いて新しい視点での発見があったり、自分の考えが変わったりしているかが不明確で、自分の思いを持てているのか、自分の思いを大切にできているのか、ということが不安になる話し合いであった。主体的・対話的で深い学びを目指すとき、「対話的」というところに注力しがちであるが、まずは書くことから始めようと考えた。書くことをいとわないようになれば、自分の思いを持って、主体的に話し合いができるようになるのではないかと思ったからである。そこで、毎日10分間書く時間を設定し、「10分間作文」と名付けて取り組んだ。

 10分間作文では、
 ○書いた文字数がわかるようにした原稿用紙を用意。
 ○視写、お手紙、感想文など初めは特設の書く時間で取り組む。
 ○慣れてきたら、学習感想や学習のまとめなどの日常の書く活動へつなげる。
 10分間×30回=7時間分の実践となったが、書くことを7時間取り組むことに比べて、確実に子供の書く力が付いた。視写の速度も上がり、書くことを当たり前とする意識や「書けるようになった。」「書くことに困らなくなった。」という実感を持たせることもできた。

 助言では、1年生からの積み上げとしての6年生の現状があるとき、どういう力をつけて中学校に送るのか。これが必要だと思ったらなりふり構わずにやる、ということも必要ではないか。また、書くことを勉強だと思う子供はその時点で主体性を持っているといえること。このように書く力をつけた後、心に残る言葉を書き残し、6年生の3学期の随筆で、そして、卒業文集にいきていくことを教えていただいた。
(草津市立矢倉小)