作文指導のアイデア(2年生)
北 島 雅 晴

 文字を書くことに抵抗がなくなり、1年生から引き続き担任しますと、「すらすらと書けるようになったなあ。」と、感心することが多いです。それ以上に、2年生の特徴として、学年後半の伸びに目を見張るものがあります。
 例えば、題名に目を向けてみます。1学期は、「〜へ行ったよ」といった語尾の題名が多くありますが、3学期になると全くなくなります。学年の前半に地道に積み上げたことが、後半で花開くという観があります。

◆題材「この漢字を使って」
 この学習は、作文というよりも日々の日記に取り入れるとよいでしょう。文章のどこかに、指定された漢字を使う、それだけの約束で書きます。既習の漢字を書く時に使うようにする、というねらいで始めたのですが、全く違う効果がありました。例えば、「丸」という漢字が課題の時の日記です。

○おじいちゃんとちきゅうぎ
 おじいちゃんが、ちょっけい35センチのちきゅうぎをもらってきてくれました。あたらしくて,ピカピカしていました。
 おばあちゃんがきれいにそうじをしてくれました。ちきゅうぎは丸いです。そして、ぐるぐるまわります。おじいちゃんと、あてっこをしました。(以下略)

 ただ、「丸」という漢字を使えばよいだけですが、子どもたちは、「丸いものはないか」とさがして書くのです。結果として、ふだんとは違う題材で書くことになります。このように、漢字を使う習慣よりも、題材を広げることに効果があることが分かりました。

 学年後半になりますと、一度は大作に挑戦させたいと思います。
◆題材「わたしの成長」の本
 生活科との関連で行う学習です。私の成長という題材で、どのような本を作りたいか、計画を立てるのが特に楽しいです。
「生まれたころの話をお母さんに聞きたい。」
「2年生になって逆上がりができたことを書きたい。」
話し合いを参考にして、各自で目次をつくります。
 第一章 生まれた時は小さかった
 第二章 三才の時の大きなけが
 第三章 ピアノを習いはじめた
 第四章 一年生の友だち
 第五章 九九とのたたかい
 この学習は、いかにいい資料を集めるか、取材力が大きくものをいいます。「いい本をつくりたい」という子どもの思いをうまく引き出しながら進めたいです。
 各章、200字程度で書きますが、この本を完成する力があれば、3年生への橋渡しは十分だと考えます。
(前草津市立志津小)