みんなで五・七・五のリズムにのせて
北 川 雅 士

 今年度は5年生の担任をしている。毎年、どの学年でも季節の言葉の学習では俳句作りに取り組んできた。昨年度からさざなみの例会をはじめとして、幾度か俳句の実践や、子供が夢中になる取り組み方について学ぶ機会があったため、今年度はそれを自分なりに実践していけたら…と考え授業を行っている。今年度担任をしている学級の子供たちは、書くことへの苦手意識が強いため「俳句を作る」というだけで「難しい」「できない」という思いがみられた。そこでまず春をテーマにした俳句では、春が来て「うれしい」と感じる言葉を書き出して、「はるがきた 〇〇〇〇〇〇〇 うれしいな」という形を基本形として句を詠んだ。

 そして「夏」をテーマに先日取り組んだ授業では、まずノートに夏を感じる言葉を書けるだけ書き出した。グループで交流しながら、一人一人がノートに30程度の夏を感じる言葉を集めた。その中で五音と七音の言葉に○をつけ、その言葉を組み合わせながら五・七・五のリズムで口に出してみた。ためしに学級で3名を指名してつなげてみた。A児「夏休み」B児「アイスクリーム」C児「かき氷」と言葉がつながった。これをモデルそれぞれがノートに書き出した言葉を組み合わせながら句を作り始めた。

 作品の一部を紹介すると、
「夏休み 花火大会 バーベキュー」 「かき氷 流しそうめん すいかわり」 「外暑い アイスクリーム せんぷうき」
「夏休み 花火とプール 夏休み」 「炎天下 めっちゃ暑い 夏模様」 「川遊び 星の観察 夏祭り」
「青い海 むぎわらぼうし すいかわり」 「だいかんせい 一打ぎゃくてん こうしえん」
「カブトムシ ミヤマクワガタ セミのこえ」 「夏休み 水泳教室 ひらおよぎ」

 授業の終わりに、「『自分でこれが一番夏らしい』と思う句を書いて提出してください。」と短冊を配ると、「もっと考えたい。」「まだ試してない組み合わせがある。」「もっと七文字の言葉見つけたい。」と子供達は大盛り上がりになり、次の時間までに改めて言葉を集めて俳句作りをすることになった。次の時間、一番に作品を提出したのは普段作文や書く活動が大の苦手な児童だった、ノートにたくさんの言葉の組み合わせを書いて句を作り、「自信作ができた。」と短冊を提出したのがとても印象的だった。ちなみに句は「夏祭り 冷やし中華 川あそび」、なんて夏らしい句だろうと感心してしまった。

 もうすぐ夏休みになる。児童たちが詠んだ俳句は、少し飾り付けをして家に持ち帰ろうと考えている。表現を工夫しながら、季語を入れじっくりと考える俳句もいいが、今回のように、五・七・五のリズムを楽しみながら取り組む活動もとても楽しいものだと感じた。今回の学習を通して日常生活の中の「五音」と「七音」の言葉に少しでも興味がもてると、もっともっと言葉が豊かになり、今後の俳句への取組につながるのではないだろうかと考えている。2学期以降も継続して取組を続けながら、子供たちとともに楽しみながら俳句を作れればと思う。
(彦根市立城南小)