今年度の実践を振り返る
北 川 雅 士

 いよいよ卒業式が近づいてきた。小学校での国語科の学習もまとめの時期をむかえる。今年度担任をしている子どもたちは5年生から指導してきた。5年生当初から書く力に課題のある子供たちであったため、継続して「書く」ことの指導を学年で積み上げてきた。今年度の実践を振り返り、次年度以降につなげていきたいと思う。

○年間を通した継続的な作文への取り組み
 本校では、毎週水曜日の朝の活動が「学力アップタイム」に設定されている。5年生からこの時間に作文課題に取り組んできた。はじめは、200字程度の作文に取り組んだ。作文は学力アップタイムで書ききることを条件にし、提出された作文には添削及び、評語を書いて返却した。徐々に文章量を増やし、6年生の2学期以降では400字を基本としている。また、「作文はその時間(その日)に必ず書いて提出する」「決められた文字量を満たしていない場合は提出を認めない。また超える場合も書き直す」「作文は毎回違うテーマを設定する」といったルールを設けた。
 これを継続して続け、基礎基本的な作文の力を積み上げていこうと考えた。また、週末には日記の課題を出し、「書いて表現する」ということを当たり前にしていきたいと考えた。

○「書く」過程の教材を選択する試み
 6年生2学期の教材「未来がよりよくあるために」(光村図書6年)では、これまでの積み上げを生かし、意見文を書く過程をそれぞれの児童が選択することを学習計画に取り入れた。

○「書く」単元における実践
 書くことについて指導を行う際には以下の3つを大事にしながら指導をおこなうことを目標に単元を構成した。
@ 題材、学習教材の必然性を大事にする。
 ・児童が書きたいと思い、書く必然性のあるものを題材、学習教材にする。
 ・教科書の教材だけでなく、実態に合わせた題材を選ぶように教材研究を行う。
A モデルを大切にする。
・指導者がモデルの良さを示し、このモデルを作るまでにどの手順をふんだのかを示す。
・または教科書に沿って書くとどのような文章になるのかを示す。
B 児童の「できた」を大事にする。
・全員書ききるということを最低条件にし、「書けた」と「読んで欲しい」ということを書く意欲につなげる。

○来年度以降に向けて
 卒業間近の今、5年生のスタート時は原稿用紙の半分を書くのに1日以上かかったA児は、声をかけなくても自分の思いを400字人も「6年生になって文章を書くのが嫌じゃなくなった。」「日記を書くのは楽しくなった。」と振り返っている。2月に実施したアンケートでは、読むことも書くことも、話すこと各項目で頑張って学習に取り組めたと思う子どもが8割いるのに対し、国語は「あまり好きではない」という児童が学級で4割存在している。授業改善と合わせて、毎時間の国語科の学習を「やりたい」と思えるにできるように来年度以降も努めていきたい。
(彦根市立城南小)