町内人権懇談会での「ブックトーク」
森  邦 博

 町内人権学習懇談会(町内小学生の父母が主な出席者)で町役員として話題提供を担当することになり、「身近な人=家族=子どもを大切にすることが原点」とのテーマで話をさせていただいた。

 初めに「我が国の総人口は極めて急激に減少。2004年をピークに今後百年間で百年前(明治時代後半)の水準に戻っていく。この変化は千年単位でみても類を見ない(平成23年国土審議会政策部会長期展望委員会中間とりまとめ概要)」と年代別人口グラフを紹介した。
 グラフを見ると改めて、今の子ども達=小学生こそが次代の日本の担い手だとの思いがする。と同時に、大人・親は未来に向かって生きる喜びに輝く子育てをするしたいものだとの思いを共有し合った。

 次に作文を2つ紹介した。一つは、和歌山県紀美野町下神野小1年井谷色葉さん(2018.7.15  読売新聞掲載)の「がっこう」
「がっこうは たのしいよ てつぼう ぶらんこ たのしいよ しゅくだいは たのしいよ さんすう こくご おんがくは たのしいよ ずこうは たのしいよ」
 もう一つは船戸優愛さん(虐待の疑いで亡くなった)の日記。
「ママとパパにいわれなくても しっかりとじぶんから もっともっと きょうよりか あしたは できるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします・・・・ ほんとうにおなじことはしません ゆるして きのう ぜんぜんできてなかったこと これまで まいにち やってきたことをなおす これまで どんだけ あほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もう ぜったいぜったい やらないからね ぜったいやくそくします」
 書きたい思いがあふれる詩と必死で言葉を吐き出している日記。目の前の一人の子どもをかけがえのない命の持ち主と強く思い、その一人の子どもの育ちを心から喜び支えるのが大人・親の原点でありたいと結んだのだった。
(京都女子大学非常勤講師)