詩を味わう
北 川 雅 士

 新年が明け、6年生の3学期が始まった。6年生は中学校に向けて各教科がまとめの時期に差し掛かる。小学校で学んだことが定着し、活用できるものになっているのかを確かめながら学習を進めていきたい。国語科の学習は詩の学習からスタートした。木村信子さんの「未知へ」という詩である。
 教科書には「詩を味わおう」というめあてが書かれている。そこで児童たちとともに詩を味わうということはどういうことなのかをあらためて考えながら学習を進めようと考えた。

 まずは全員で詩を一度読んでからノートに視写をする。始業式の日に教室の後ろの黒板に書いておいたため詩については知っている。視写ができた児童からノートに視写した詩を数回声に出して読んでから「味わう」ということについて学習の進め方を考えた。
 「詩を味わうとはどういうことなのかな?」という問いに対して児童は「声に出して読む」「読んだ感想を書く」「詩について考える」などの様々な考えを出した。まずは、詩の全体を読んで、あいまいな言葉の意味を調べていく、「未知」「殻」「あふれる」「こだます」「ときめく」など必要に応じて辞書を引き言葉の意味を知った。続いて自分の気になる部分をそれぞれが考えてノートにまとめていく、友達と相談したり、辞書を引いたりしながら詩について考えた。抽象的な表現が多い詩なので考え方はさまざまに及んだ。

○題名の「未知へ」とはどういうことなのか。
 → 殻の外の世界 見えていないもの 中学校での生活 自由に作り出せる
○繰り返される「響いている」とはどういうことなのか。
 → 鳴き声 様々な音 心の響き 心臓の音
○「割れるのだ」とは何が割れるのか。
 → 卵 ガラス 自分の挑戦しているものができた 限界 「超える」と同じ
○「まだ見たことのない山」
 → 期待 不安 これから出会う人や物 「未知へ」と同じ意味

 自分で気になったところをどのように解釈したのかを考えようと思うと、何度も繰り返し読み、調べたり、友達との対話を通して考えを共有しながら課題解決をする必要が生まれる。限られた時間の中で自分の考えをまとめようと思考をめぐらせる姿が見られたことがうれしかった。

 2年間指導をしてきた6年生の児童にとって小学校での国語科の学習内容も残り少なくなってきている。教材も新しいことを学ぶよりも学んだことをする内容が中心になる。これまで学習してきた国語の学習を生かしながら主体的に取り組む姿が見られる学習を進めていきたい。そのためにも、学習が児童の「やりたい」という思いを中心に進めていくことができるように気を配りたいと思う。
(彦根市立城南小)