作文研究会
高 野 靖 人

 11月24日(土)に、大津駅前の大津サテライトプラザで「子どもの作文の評価と作文指導法の研究会」が行われた。主催は、「さざなみ国語教室」と「NPO法人 現代の教育問題研究会」。参加者は、さざなみの同人を含めて20名だった。

 三部構成の第一部は「作文演習タイム」。4・5名のグループに分かれて、持ち寄った作文を材料として短評を交流したり、作文の見方や指導法を交流したりした。私のグループは、全員が選択した1つの作文の短評を書き、交流した。顔の分からない児童の作文に対して、ほめ方、アドバイスの仕方、活用の仕方など様々に話し合うことができた。

 第二部は、「講演」。演題は、「子どもの書く力の向上と指導法の開発・向上をめざして」。講師は、西村嘉人先生(彦根市立稲枝西小学校)。西村先生は、昨年度定年退職されたが、本年度再雇用で上記の学校の4年生担任として16名の児童を指導されている。しかも、複数の児童が個別の支援計画が必要な状態で、教室が静かになると我慢できなくなる児童が3・4名といった状態からのスタートだったらしい。そうした中、1・2学期の教科書教材また作文単元等で具体的な学びの姿が語られた「学習の手引き」を子どもに意識・理解させて、自分で学べるように指導すると語られたことが印象に残っている。土日作文、全校作文についても教えて頂いた。全校作文については、資料が添付されていたので、実際に参加者も演習として記述した。1年生から6年生まで、発達に応じた取り組みができることが利点であろう。

 第三部は、研究会のまとめとして吉永幸司先生の「講話」、「本研究会に学ぶこと」であった。まず、作文指導の中で生活作文と学習作文の違いについて話された。自由に書いた生活作文に対しては、ごちゃごちゃ指導しないことが原則。反して、学習作文は、目標に合わせた評価・指導が必要。日記など自由作文では、どのように指導するか、またどのように活用するか、留意する必要がある。日記には、俳句のネタがいっぱいあることも教えて頂いた。書くことの意義として、学習の履歴が残ること、成長が分かることを指摘された。その時々の自分が刻印されるのは、書くことによってのみであると。「ごんぎつね」や「お手紙」など教材に関わる指導の留意点や評価・子どもへの返し方に関わる留意点など、示唆に富んだお話が続いた。今流行の「主体的、対話的で深い学び」についても教えて頂いた。

 年度のちょうど中間点に位置付く研究会。特に、若い先生方には、今後の作文指導への展望が開けたのではないだろうか。
(さざなみ国語教室同人)