学習方法を選択して課題を解決する
北 川 雅 士

 2学期の書く活動では、単元計画に「児童が学習方法を選択して課題を解決する時間」を盛り込んでいる。これまでに、「未来がよりよくあるために」(光村図書6年創造)で意見文を書く際と、「『鳥獣戯画』を読む」(光村図書6年創造)で評論文を書く過程において単元計画に学習方法を選択する時間を設けた。
 きっかけは、学習計画を立てていた際に児童からでた発言である。「未来がよりよくあるために」の学習計画をたてていた際に、意見文を書くまでの過程でいくつかの方法が児童から提示された。学級で検討していくと以下の4つに分けられた。
 (1) 意見交流の時間が終わったらすぐに意見文を書きたい。
 (2) 教科書にあるような構成表で文章構成を考えてから書きたい。
 (3) ノートにおおまかな構成を書いてから意見文を書きたい。
 (4) 意見交流の後、調べ直してから書く活動に入りたい。
 いつもの流れでは、このいずれかで意見がまとまるものの具体的に「こうしたい」ものが定まらなかった。そんな中、数人が「選んだらあかんの?」「好きなやり方でいいんじゃない?」という意見を出した。そこで「自分の必要な方法を選んでやってみますか?」と問うとみんなが「それでいこう」となった。

 実際、いざ選択する時間になると戸惑う姿も多く見られた。普段はみんな同じようにすることを自分に必要な方法を時間を決めて行うというのは経験が少ないからであろうと思う。この時は、自分の考えを友だちと交流してから意見文を書くまでの2時間(45分×2)を学習方法を選択して課題を解決する時間とした。児童らのふり返りを読んでいるとこの時間の良い部分と改善点が見えてきた。(○良さ ●改善点)
○自分で方法を選んだのでじっくりと考えて意見文を書くことができました。
○友だちからの疑問や反論に答えるためにパソコン室に行けてよかった。
○なにが必要なのかを自分で一生懸命考えて進めたのでいつもより大変だった。
○困ったときに友だちに相談ができたし、やり方を途中で変えることもできたのでよかった。
●自分で選ぶのは難しいのでみんな同じやり方がよかった。
●構成表の意味がよく分からなかったので、いきなり下書きをしたけど難しかった。
●友だちが下書きを書いていたので真似をした。

 「自分の課題解決に必要な方法を何か」と考えたり、相談しながら進める児童がいる一方で、「とりあえず好きにやればいい」「楽な方法を…」という考えの児童もいる。その単元でつけたい力を目指して主体的に学びに向かうには、指導者としてまだまだ支援の方法や場の設定を模索していかねばならないと思う。ただ、その一方で書く活動に限らず、児童が「それがしたい」と思う『必然性をもった学習活動ができているか』という点については今後も学級の児童達と追究していきたい。
(彦根市立城南小)