書きたいことの中心は?
北 島 雅 晴

 「もしも『私の誕生日』という題名で作文を書くとしたら、どんなことを中心に書いたらよいでしょうか。」と尋ねてみた。
 A:誕生日の出来事を書きます。
 B:今までの誕生日の中で、一番心に残っていることを書きます。
 C:私を産んでくれたお母さんのことで書きます。
 D:今までにお世話になった人のことで書きます。
 E:自分が産まれた日のことで書きます。
といった5種類の考えが出たので、次に、この中から1つ選んで書くとすると、どれを選ぶかを尋ねた。  A:6名 B:5名 C:6名 D:7名 E:5名
「誕生日って、一番大切にすることはなんだろう。」
「自分が大きくなったことを祝う日です。」
「育ててくれた人に感謝をする日かな?」
大切にするという点から考えると、CDEがよいのではないかということが分かってきた。そこで、この3つのいずれかを中心にして、作文を書くことにした。

  ぼくのたんじょう日
 ぼくのたんじょう日は、七月二十三日です。十年前のこの日も、とても暑い日だったらしいです。十年前にさいたさるすべりは、台風でたおれてしまったけれど、根元に小さな木が出ているので、それが成長してくれたらいいなと思います。(以下略)

 その他、自分が産まれた日のことについてお母さんから聞いた話、自分の名前がどのようにつけられたか、幼い頃に大切にしていた物、といった話題で書くことができた。

 誕生日が近づくと、誕生日を題材とした日記を書く子が多い。でも残念なことに、レストランに行って食べたこと、プレゼントで何をもらったかということ、といった話題で書いてしまう。これは、現在担任している4年生に限らず、高学年になってもこの傾向は変わらない。
 3年生から4年生にかけて、次第に、何を書きたいのか、中心点がはっきりとした文章を書くことができるようになる。しかし、何を話題として書いたらよりよい文章になるのかと考えられるようになるには、もうしばらく学習が必要である。
 4年生の段階では、どんな文章を書く時でも、「書きたいことの中心は何か」と、自問自答できることが大切だと考える。そして、少しずつ、「書くねうちのあること」にも目が向けられるようにしていきたい。
(草津市立志津小)