たのしみは? 〜学級で歌会を開こう〜
北 川 雅 士

 昨年度に引き続き、自分の学級では、「季節の言葉」の学習の際には、学級全員で俳句を詠み、学級全員で句会を開く活動を行ってきた。児童も、教科書で「季節の言葉」が近づくと「句会するんやろ?」「もう考えてるから。」という声が聞かれるようになった。そんな中、2学期に入り短歌について学習をすることになった。教材は「たのしみは」(光村図書6年)、江戸時代の歌人橘曙覧の短歌を参考に日常の楽しみを短歌で表現していく学習を計画していた。
 今年度は、学習の導入に児童と学習計画を作成している。この学習でも「短歌」というものを学習していくのに「どのような過程が必要か」「どのように学ぶか」「出口をどうするか」を教科書をもとに考え、学習計画を立てた。児童からは、「いつもみたいに句会をしたい」という、意見が出たため、学習の出口は「学級で歌会を開こう」ということに決めた。

『学級で歌会を開こう』(全5時間)
 @学習計画を立てる。
 A短歌とはどのようなものか、調べてきたことを交流する。
 B題材を選び、短歌にする。
 C個人での学習かペア学習を選んで表現を工夫し、短冊に清書する。
 D学級で歌会を開く。

 短歌を作成する経験は初めてという児童がほとんどではあったが、「楽しみを感じる時」というわかりやすい題材があるということが意欲につながっているように思えた。また、俳句の制作を通じて身に付けてきた表現の工夫や、言葉の使い方がこの学習にもつながっていることがよくわかった。歌会では、全員が短冊に書いた短歌を読み合い交流を楽しむことができた。今後も「季節の言葉」の学習の際には「句会を開こう」という声が聞こえるとは思われるが、今回の学習を見ると、「歌会をしたい」という声も聞えてくるかもしれない。今回の実践で、短い単元であっても積み上げていくことで、学級の子供の中から主体的に「こういう活動をしていきたい。」という思いが生まれるということがわかった。
 今年の夏の「滋賀県国語力アップセミナー」に参加した際にも感じたが、国語科に限らず、日々の様々な学級での取り組みの中で、言葉の働きかけを行うことが国語科の学習意欲にもつながるということを忘れずにしたいと考えると同時に、子供たちに話す一言一言が、学級のみんなの話す力や聞く力に直結しているということを意識して、指導を進めていきたいと思う。
(彦根市立城南小)