第4回「近江の国語実践研究会」 じどう車くらべ(1年) 「鳥獣戯画」を読む(6年)
蜂 屋 正 雄

 「基本から学びたい」「初歩的な質問を気軽にしながら学びたい」と、本研究会を立ち上げて2年。今年は1年生と6年生の説明文の教材研究を参加者14名で行った。

 1年生の「じどう車くらべ」(光村)は、出口として、図鑑を作ろうと「書くこと」の活動にすることが多い。しかし、実際にそれぞれの車の「しごと」はその車の使用目的で書くことはできるが、「つくり」となるとなかなかに難しいことがわかる。また、良くできた教材なので、読み取りは何となく進むが、書く段階で読みが全くいかされないということもよくある。研究会では、教材冒頭の「いろいろなじどう車」とは何かを問い、具体的にたくさんの自動車を挙げさせ、「自動車」という抽象的な言葉でまとめられることに気づかせたいこと。その上で「それぞれ」1台1台の自動車について、「しごと」と「はたらき」という共通の視点でくらべ、その特徴を読み取らせたいこと、が共有された。実際、教材ではじめに出てくる自動車は「バス」と「じょうよう車」である。この2種類の車は似ているとは言い難い。しかし、「人をのせてはこぶ」という「しごと」は同じであり、「ざせきがひろく、まどがおおきい」という「つくり」も共通である。教師は教材文の意図を上手に使って教材研究を進めたい。

 6年生の「『鳥獣戯画』を読む」(光村)では構成で意識したいことをいくつか確認した。3段落「この絵は」から、話をはじめても十分に読み取れる教材であること。あえて1・2段落を入れ、「はっけよいのこった」「…正確にしっかりと描かれている」「…遊びはじめたのだとしか思えない」といった漫画やアニメーションにつながる、また、読者である子どもを引きつける導入であること。4段落「どうだい」という語りかけや、5段落「もう少しくわしく見てみよう」と、作者らしい視点ですばらしさを伝えようとしていること。7段落の最後「今度は君たちが考える番だ」と自分の解説をしたあとに、突き放し考えさせる場面があり、9段落で一番にいたかったことを述べ「人類の宝なのだ」と結んでいること。

 子どもたちが教材文のすばらしさを味わえるように読むことの授業研究を進めたい、と思える協議になった。1月の報告が楽しみに、また、みなさんの参加を募りたい。
(草津市立矢倉小)