▼4月例会(第434回)は平成30年度の研究内容を協議した。学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」についての理解は深まった。が、授業という場では曖昧であるという実態がある。〈基本提案〉では、国語科が本来目指すものは何かということを問い続けるために、「国語力」を幅広く捉えるとともに緻密な授業を目指すことを研究の方向にした。

▼例えば、「ふるさと」(室生犀星)の詩を指導をする。「ゆきあたたかくとけにけり/しとしとしとと融けにけり」で始まる。指導内容を、情景の理解とさだめるのと、文語文の指導と定めるのとは、光を当てるところが違ってくる。言語活動においても、音読と話し合いとでは違いがある。

▼子どもが主体的・対話的で深い学びは取り立てて新しさを求めるのでなく、豊かな言葉の使い手を育てるという授業をつくるという指導の原点を大事にする研究を求めることを共通理解し、実践への計画を立てた。

▼〈演習研修〉では、子どもに文章を書く力を育てる、子どもの文章を読む、評語を書くという「書くこと」に対する多面的な研修の時間を設けることを計画した。かつて、「近江の子ども」(高野倖生氏)が目指しておられた書くことを通して人を育てるという思いを大事した実践を蓄えることを目的にしたものである。

▼巻頭には、山根悠謳先生から、玉稿を頂きました。深謝。(吉永幸司)