登場人物の心情のとらえ方
北 川 雅 士

 『カレーライス』(光村図書6年創造)の学習に取り組んだ。本教材は「ぼく」と「お父さん」との関 わりの中で、「ぼく」の心情がどのように揺れ動くのかに着目して読む教材である。「ぼく」の気持ちは、高学年の児童たちには共感する部分も多いため、児童たちも興味をもって読むことができていた。しかし、「お父さん」側の思いは理解が難しい面もある。
 今年度は、昨年度からの持ち上がりの学年になるため、昨年の学習の積み上げを生かしつつ、児童が主体的に取り組める単元の構想を学年で考え、実践していきたいと考えている。
 『カレーライス』の学習では、「ぼく」と「お父さん」の心情の変化を『心情曲線』(曲線グラフ)を使ってまとめながら読み取りをしていこうと考えた。「ぼく」と「お父さん」それぞれの心情の変化を時系列順に読み取り、叙述と対応させながらまとめた。

【単元の学習の流れ】
1.『カレーライス』を読み、感想を書いて交流する。
2.学習計画を立てる。
3.登場人物や、物語の内容をつかむ。
4.「ぼく」の心情の変化をまとめる。(心情曲線を使って)
5.「お父さん」の心情の変化をまとめる。(心情曲線を使って)
6.二人の心情曲線を比べて気づいたことを交流する。
7.自分の経験と比べながら『カレーライス』の感想を書き、交流する。

 はじめに、心情曲線を提示した時には戸惑いもあった児童たちではあったが、課題に取り組み始めると、意欲的な姿がたくさん見られた。はじめは全体で確認しながら進めていこうと考えていたが、児童のほうから「もっと進めたい」「自分でやっていいですか?」と意見が出たので、「じゃあ進めてみて」と声をかけ、ほとんどの児童が自力で進めることができた。読むのが苦手だと言っていた児童もふりかえりでは「いつもと違ってよくわかった」「曲線にすると心情の変化がよくわかった」「今日の勉強は楽しかった」という言葉が見られた。次に取り組んだ「お父さん」の心情曲線も同様であった。また、心情曲線で表したことで、違う観点からの心情の変化を比べる際にも視覚的にわかりやすく、交流した時にも曲線の違いを話題にして読みを深めることができた。

 6年生の国語科を指導するのは2年ぶりになる、前回の指導内容を振り返りつつ、さらなる実践を積み上げるとともに、今年度は国語科主任として、自分の学んだことを伝えていく1年にしていきたいと思う。
(彦根市立城南小)