『理想の自分へ』向かう一年間に!〜FIVE STEPSの取り組みから〜
谷 口 映 介

 新しい学年が始まった。誰もが期待と不安の入り混じった表情をしている。かく言う私もその1人である。これから2年間、滋賀大学教育学部の大学院で国語科教育を学ぶことになった。目下のところ、多くの文献に当たろうと毎日大学図書館に通っているが、国語科教育の歴史を学ぶにつれ、その奥深さに圧倒される日々である。

【理想の自分とは】
 理想の自分と言われると一瞬悩むかも知れないが、実のところ誰でも心に持っているものである。私なら「国語科を窓口に子どもの言葉や心を育てたい(育てられる教師)」と言ったところである。児童にとっても同じことで、学年の最初に「理想の自分像」をあらかじめ定めておくことが大切である。
 上図は、昨年度も紹介したが再掲する。理想の自分に「みんなで」(学級全体で・学年全体で)近づくために、年間を通して意識させた。学習面では、「楽しさ→やる気→学び合い→チャレンジ→理想の自分」生活面では、「安心→協力→共感→自治→理想の自分」と段階を追って高まると考えた。昨年度は、設定の意図と図の紹介であったが、その後の展開と高まりを報告したい。

【みんなで高まるために】
 年間を通した実践のポイントは、次の3点である。
@カラー版の「FIVE STEPS」の図を常時掲示しておくこと。
A毎月振り返り、次のめあてを設定すること。(振り返りシート)
 ※Å42段組―上段:図
  下段:達成できたこと・学んだこと/次(来月)のめあて
 ※自分が(学級が)、今どの段にいるのかを意識させておく。
B振り返りシートを常時全員分掲示しておくこと。

 理想の自分は、最初は暫定的なものであり、途中で変わってよい。実際に、最初は、「みんなと仲良くしたい」と書いていた子も、最後の月の振り返りには、「下学年からあこがれを持ってもらえる、頼りにされる人になりたい。そのために、まずは自分から声をかけ、同じ目線で話すことを心がけたい。」とまで具体的・客観的に振り返れるようになった。最高学年としての子ども達の活躍と更なる成長を願うばかりである。
(滋賀大学教育学部附属小)