緊張の1週間
西 村 嘉 人

 3月に定年退職し、新たに現任校に年間講師として勤務することになった。4年生16名の担任である。
 久しぶりの学級担任。全学年単級の小規模校で、他の担任は次々と学級開きに向けて準備を進めているなか、何から手をつけてよいものやら迷うばかり。あっという間に学級開きの日を迎えてしまった。

 第1日目。
 初めて出会う子どもたち。緊張感いっぱいの表情である。
「少しだけ国語の勉強をしましょう。」
の声に
「えっ!」
の反応。体育館で担任発表を聞いたときに感じたこと、今、教室で話を聞いたときに感じたことを簡単に書いてみよう、と切り出した。
 ・勉強ができそうな先生
 ・いつも笑っていそうで、にこにこの先生
 ・やさしそうな感じの先生
 ・なんか見たことありそうな先生
など、困りながらも第一印象を書いてくれた。後は配布物に追われて慌ただしく終わってしまった。

 第2日目。
 学年通信のタイトルを「ぼちぼちいこか」としたので、マイク・セーラーさんの絵本を読み聞かせた。そして、
「今年はみんなにとってとっても 大切な1年です。今年でテンサイになるのですから…」
と話を進めた。10歳と「テンサイ」のかけ言葉に気づいて、ニヤリと笑う子どもたち。「ぼちぼちいこか」の願いも熱心に聞き入ってくれた。
 国語の授業は国語ノートの書き方指導。扉の詩を指示通りに書いたり改行したりしながら書き写させた。暗誦しようを声をかけると5分ほどで全員が暗誦できるようになった。

 第3日目。
 1時間は、教科書の「言葉のじゅんび運動」。もう1時間は、漢字学習ノートの書き方指導。指示を聞いて、その通りに漢字学習ノートを書かせる。聞き返しをしながらも全員が同じように漢字学習ノートを仕上げることができた。

 第4日目。
 「春のうた(草野心平)」の学習。グループで話し合って群読の工夫を考え発表する学習に取り組んだ。「ほっ まぶしいな」「ほっ うれしいな」「ケルルン クック」をそれぞれのグループが蛙の対話をイメージして群読できた。
 久しぶりの担任に緊張した1週間。少し肩の力を抜いて2週目に臨む。
(彦根市立稲枝西小)