今年度の研究
三 上 昌 男

 新しい学習指導要領が告示され、移行期を迎えた。国語科では、言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して、国語を正確に理解し適切に表現する資質・能力を育成することを目標としている。その中の「言葉による見方・考え方を働かせる」とは、子どもが学習の中で、対象と言葉、言葉と言葉との関係を、言葉の意味,働き、使い方等に着目して捉えたり問い直したりして、言葉への自覚を高めることであると考えられている。また、質の高い「言語活動」とは、育成を目指す国語の資質・能力を子どもたちが身に付ける上で、確実に機能する言語活動のことであり、学ぶ目的や意義、価値そして楽しさを実感できることが大切だと言われている。

 こうした国語科の新たな方針が示されたことを受け、滋賀県小・中学校教育研究会国語部会では、これからの国語科の授業作りについて研究を深めている。部会研究では、「『ことばの学び』を拓く国語教育の創造」という研究主題のもと、平成30年11月13日に第42回滋賀県国語教育研究大会(米原大会)を開催する。
 小学校部会では、「学びのつながり」をキーワードに、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の各領域ごとに部会を編成し、単元構想の工夫について授業研究に取り組んできた。その中で、学習者が、課題を自分のものとして捉え、見通しを持って取り組み、学習の成果を実感するとともに次の学習につなげる姿を目指してきた。
 本部会の研究に関する事業や研究授業について、滋賀県内の国語科指導に関わる先生方に公開し、共に学び、研究を深めていけるよう、部会の研究メンバーが力を合わせて取り組み、発信に努めている。研究大会では、3年間の研究成果をお伝えできるよう準備を進めていきたい。

 本校の校内研究では、「自ら考え表現し、伝え合う子どもの育成〜話し合う力を育てる国語科の授業作り〜」を研究主題に掲げている。今年度は、昨年度の「話すこと・聞くこと」の学習を生かして、「読むこと」の授業で自分の考えを話し合いによって、確かなものにしていけるような子どもの姿を追究していく。「主体的・対話的で深い学び」につながる授業研究を推進していきたい。
 また、学校司書活用の環境整備が進められる中、本校では、今年度週2日学校司書の派遣を受けることになった。読書センター・学習情報センターとしての図書館の機能を充実させながら、学校司書を活用した授業研究にも取り組んでいきたいと考えている。
(近江八幡市立金田小)