学習の手引きを使って
北 島 雅 晴

 説明文「想像力のスイッチを入れよう」(下村健一文・光村図書5年)の学習を、教科書の手引きどおりに学習を進めることにした。
 本教材文は、情報の受け手として大切にする事柄について、事例を効果的に使って述べた文章である。  ○どのように学習を進めたらよいか、見通しをもつこと。
 ○手引きに書かれた内容に従って自力で学習を進めること。
といった意図で、手引きによる学習を行った。

 手引きの項目の一つに、次のような内容が書かれている。
▼文章全体を、大きく3つのまとまりに分けよう。そして、それぞれのまとまりでどのようなことが述べられているかを、簡単にまとめよう。
(以下Tは教師、Cは児童の発言)
T この文章を読み、学習の進め方で分からないことはありますか。
C まとめるって書いてあるけど、どのようなまとめ方をしたらいいのか分かりません。表にまとめるのか、文章にするのか…。
C 文章でまとめたらいいと思うけど、何文字くらいでまとめたらいいのか分かりません。
T 大きく3つに分けることは、できそうですか。説明文でいう3つというのは、何のことか分かりますか。
C はじめ・なか・おわりの3つに分けることかな…。
C はじめは、全体的な紹介で、なかが事例で、おわりがまとめです。
T おわりは、別の言い方をしたら。
C 筆者の考え。
T はじめの部分で、もう一つ大事なことを覚えているかな。
C えっと、問いかけの文。
T 簡単にまとめるのは、何の学習をすることか分かりますか。
C 要約することです。
T ちょっと難しいことを聞くけど、なんのためにこの学習を行うと思いますか。
C 文章全体が、どうなっているのかを知るためです。
C どんな事例が書いてあるのか、作者はどんなことを伝えたいのかを知るためです。

 分からないことを出し合う中で、どのように学習をするのか、この学習にはどんな意義があるのかを確かめながら進めていった。学習の手引きは、その学年の児童が理解できるものとして書かれているはずなので、それらを具体的につかむことを大切にした。どんなことに目を向けて学習を進めたらよいのかを考えるきっかけとなった。
 常に教科書の学習の手引きを使えばよいというわけではない。授業者が学習の手引きを作ること、子どもとともに学習の進め方をつくっていくことも大切にしたい。
(草津市立志津小)