第3回近江の国語実践研究会
「大造じいさんとガン」の提案とともに
蜂 屋 正 雄

 さざなみ国語教室は、今年で38年続いている。ちょうど22才で教員になった者が60才になる計算である。毎月発行してきたこの機関誌も431回を重ねている。

 近江の国語実践研究会は、「基本から学びたい」「初歩的な質問を気軽にしながら学びたい」という同人の集まりを作れないかと考えて立ち上げた(さざなみでも、学べますよ)。今回の提案は、春に渋川小学校の鵜飼先生に教材を決めていただき、第2回の研究会では参会者全員で教材研究を行った。その後5年生を担任する数名で指導案研究を重ね、第3回の研究会で提案いただいた。

 提案では、導入として映画のPV(プロモーションビデオ)を見せ、2時間あまりの映画を印象的に短く伝える手法を見つけ、共有する場があった。学習のゴールとしては、PVの良さを行かしてパンフレットにまとめるというもの。展開では、作品の魅力を付箋でチェックすること、本文を形式段落(1〜77)に分けることで、交流をしやすくされていた。

 会場からは、交流を効果的にする方法として、深めたいときは同じ意見のもの同士で、広げたいときには違う意見のもの同士で交流をさせるなど、そのときの教師の意図で方法を選ぶ必要があることなどが述べられた。

 助言の三上先生からは、PVを使う新しさと面白さと共に、ゴールとして共有することで子どもが主体的に学習に向かえたことなどを指摘いただいた。また、歴史のある教材なので、教師がこれまでの教材研究をいかして教材の魅力を味合わせられるようにしておくと良いというお話をいただいた。

 吉永先生からは、「やることが分かって活動に向かえれば『主体的』な活動はできる。」「教師主導から子どもの側に活動の中心を移すことが対話的な学習につながる。」「山に登ったときに、地図でどのルートで登ってきたのかを確かめるように、自分の学習を振り返り、次の学習でその方法が使えるようになることが深い学びにつながる。」ということを教えていただいた。

 来年度も「基本から」「初歩から」子どもの深い学びにつながる研究会を続けていく。ご参加をお待ちしています。
(草津市立矢倉小)