日常の「書く」を見直す―多彩な書く活動を―
北 島 雅 晴

 書く力をつけるには、日頃から多く書くことが大切だと考える。四月初め、私が担任だと分かると、
「毎日日記を書かされるから大変だぞ。」
と、兄姉や先輩からの話があるようだ。書くことが好きになる、とまではいかないまでも、何とか書くことを苦にしない子に育てたいものだと思い、家庭学習として一年間取り組んでいる。
 本年度(五年生)は日記を中心としながらも、多彩な書く活動を取り入れようと考え取り組んでいるので、それらを紹介したい。

(1) 私の掲示板―なかよしのらん―
 日常の出来事や考えていることを絵と短い文章で紹介する。すべての作品を掲示板に貼り出し、お互いの作品を読むことができるようにする。「こわかったこと」「うそのような本当の話」といったようにテーマを決めて書く。はじめは、作品を貼り出しても無関心な子が多かったが、できるだけ読みたくなるテーマを考えること、作品の一部を紹介することなどを通して、徐々に交流の場としての意味を持つようになってきた。二週間に一度ずつ貼り換えている。

(2) 短歌・俳句・詩づくり
 日記の代わりに、短歌三首・俳句三句・詩一作品、のどれかを選択して書く。
  ある夜のこと
 外で空をながめて見るも
 星は一つも見当たらない
 静かな夜に虫、一鳴き
 こういう夜がぼくは好き
   (以下略)
 心に残る作品は、学級通信で紹介する。日常生活の中で見たこと、体験したことを書くように指導している。普段から詩や俳句を作る習慣をつけたいという意図で進めている。

(3) 班ノート
 班ノートが各班に一冊ずつある。一日の学校生活をふり返って記録する欄と、自分の生活を文章で知らせる欄とがある。ノート一ページ書くこと、前の人の感想を書くこと、という二つの約束がある。
「わたしは姉なので、Aさんの気持ちがよく分かります。姉は損なことが多いけど、服だけは新しいのがいいです。」
 前の人の文章を受けて、このように感想を書いてから本題に入るようにする。班のメンバー同士の交流の場となる。

 日記をはじめ、友達に読んでもらうことを目的とした文章、詩・短歌・俳句づくり等、多彩な書く活動を行っている。どんな題材でも、またどんな文の種類でも、楽しんで書くことができるようになってほしいと願っている。
(草津市立志津小)