▼子どもを守って下さる方に守衛さんという職業がある。いつもは、登校と下校時に玄関前に立っておられる。季節の寒暖を問わず、雨の日、雪の日を含めて大変な仕事である。「心が折れそうになることもある。けれど、子どもさんのひと言で、仕事に元気がでる」というお言葉は謙虚。

▼丁度、下校時。帰りを急ぐ子ども達が、「さよなら」と声かける。何も言わずに通り過ぎる子もある。「ありがとうございます」とお礼をして行く子。笑顔で握手を求める子と傍でみていても「元気がでる」の意味が理解できる。「誕生日を覚えてくれる子もいて、毎年、その日になると、おめでとうと、声をかけてくれるのです」とのこと。聞いていて、心が温かくなっていく。

▼ある学校を訪れた。子ども達が、毎日必ず通る玄関(靴置き場)の掲示板に、「明るい心」「素直な心」「感謝の心」「反省の心」「謙虚な心」「積極的な心」の6つが「心」が大きな文字で貼っていた。国語の授業参観の後、掲示に気づき、「このすべてが、授業で育てる力ですね」という感想を伝えた。その時の校長先生の言葉。修学旅行でバスのガイドさんが「どんな校長先生ですか」と質問された。子ども達は、「6つの心の校長先生です」と答えたと笑顔でお話された。6つの心を学びの指標にする学校の日々が眩しく見えた。

▼国語力は人間力と改めて確信した。(吉永幸司)