グラフや表を用いて書こう
北 川 雅 士

 「グラフや表を用いて書こう」(光村図書5年 銀河)の学習に取り組んだ。「天気を予想する」でグラフや表を用いることで、筆者の考えに説得力をもたせていることを読み取る学習を行った。この教材では、学習したことを生かし、「今生きている社会はくらしやすい方向に向かっているか」というテーマについて自分の考えを書く学習を行う。ポイントとなるのは自分の考えをまとめる際に「統計資料などのグラフを用いて書く」ことになる。グラフや表を用いて文章を書く力は、国語科だけでなく、社会や理科など他の教科でも活用できるため、この教材では特に「適切な資料の探し方」と「資料を使った説明の方法」に重点をおいた学習計画をたてた。

【学習の流れ】
 @ 「今生きている社会はくらしやすい方向に向かっているか」について自分の考えをもつ。
 A 図書室へ行き、自分の考えにあったグラフや表を選ぶ。
 B 選んだグラフを読み取る。(何を示した資料か、何がわかるのか、どのようなことが考えられるか、資料からわかることが自分の考えのうらづけになっているものか)
 C 構成を考える。下書きをする。
 D 自分で推敲し、ペアでお互いの原稿を推敲する。
 E 清書し、学級の友達と交流する。

   学習を進めて児童が一番困っていたのは「自分の考えに合った資料が見つからない」ということだった。図書室では図書支援員の方にも協力していただきながら資料を探したが、なかなか自分の考えに合った資料が見つからないという児童が多かった。「インターネットならすぐ見つかるのに」という声も聞かれた。自宅でインターネットを使って検索し、資料を集めた児童もいたが、正確なデータであるかが疑わしいものもあったため、資料の探し方を全員で再度確認をした。図書室で資料を探す場合、インターネットの検索のように、自分の探したいものをピンポイントで見つけようとするのは難しいため、例えば、「4Kテレビの普及率」で本を探すのではなく、「電化製品」について書かれた本の中からテレビの項目を探さないと見つからないということを児童たちと確かめた。

 また、グラフや表を用いればわかりやすい説明につながるのではなく、「資料を使った説明の方法」が正しく行えていないと、自分の考えは伝わらないということも実感できたように思う。資料の説明だけでなく、「〜を表しています」「〜がわかります」「AとBを比べると」などの言葉を使いながら、資料と文章を対応させることができておらず、グラフや表があっても説得力のある説明にはつながっていない文章が、ペアでの推敲を行ったときに多く見られた。

 グラフや表を用いて自分の考えを説明することは国語に限らず、他教科や特別活動、総合的な学習の時間でも重要なスキルになる。今回の学習で学んだことが、今後の生活の中で活用できるよう、今後も学習の積み上げを図りたい。
(彦根市立城南小)