武佐小の国語教室
高 野 靖 人

 NPO法人「現代の教育問題研究所」が発足して、1年が経過した。具体的な活動の1つとして、夏休みに3日間、近江八幡市立武佐小学校で、「楽しい国語教室」を実施した。法人としては、「国語力・心の教育の実践を広く行う事業」の一環で、昨年度、近江八幡市教育委員会と当該小学校長の賛同を得、計画・実践したものである。

 担当は、吉永理事長、森副理事長、理事の高野と山路先生、当該校で年間講師をされている山田先生の5名と最終日、上学年の俳画のみゲストティチャーとして石倉政苑先生とお弟子さん2名に来て頂いた。
 3回とも、当日の午前9時から1時間、学力補充・復習が担任によって各クラスで実施され、その後希望者のみ、下学年と上学年に分かれて、10時過ぎから11時半頃まで「楽しい国語教室」に参加するという日程である。
 参加者は、平均、下学年で40人前後、上学年では20人前後というところであった。

 主に担当した上学年の学習内容や子どもの様子を紹介する。
 1回目は、百人一首である。まず、覚え方のコツ(一字決まり)を簡単にプリントでレクチャーした。そしてゲーム。6つの小グループに分かれて、百人一首大会である。数枚は上の句を聞いて下に句をとることができる子どももいたが、ほとんどは、下の句を聞いてから探すレベルだったので、どの子もゲームを楽しんでいた。上の句と下の句を線でつなぐプリントも用意していたが、使わなかった。

 2回目は、都道府県カルタである。A3版の都道府県名の入った日本地図をグループごとに配り、「すべって、ころんで、大分県」のような語呂合わせプリント(森先生作成)を配布し、確認した。都道府県カルタの取り札は、地方が示され、当該都道府県が赤色で塗られたもので、分かりやすい。グループに分かれてのカルタ大会である。なお、余った時間には、分かりにくい季語クイズを私が行った。プリントした20の季語を示しながら、季節を当てるものだ。「遠足(春)」「バナナ(夏)」「りんご(秋)」など。

 3回目は、俳画。石倉先生がお手本を数種類準備され、子どもが書きたい絵を選んだ。そのお手本には、練習用の和紙、本番用のハガキなどセットになっている。手順は、先生が示された。スタートは、お手本を和紙の下に置いてサインペンで写すことからである。彩色のコツも教えて頂き、早速練習。和紙に4回練習ができるので、子どもたちも自信がつき、祖父母に出すハガキには、それらしい絵と子どもの思い(俳句らしいもの)がかけた。どの子も、2、3種類のハガキをおみやげに帰路につくことができたのである。