▼1年生のその授業は「しりとり」から始まった。配布された用紙は。空白の箱が印刷しているだけ。名前の欄は2人並べて書くようになっている。用紙は2人に1枚。用紙が手元に届くと「名前をぼくから書くよ」「どうぞ」「書けたよ」と座席の隣り合ってている2人が名前を書く順番を決める。しりとりの始まりは先生が出題をする。「からす」が今日の始まりの言葉。それを聞いて「初めはわたしが書いてもいいですか」思いついた言葉を用紙に書き込む。2人のつぶやきが明るい。用紙には「からすーすいかーかたたたきーきつねーねこ」と、覚えたばかりの文字が並ぶ。にこにこして用紙に代わり合って書いている顔は真剣。「今日のしりとりはここまで」という先生の指示で終了。「ありがとうございました」という言葉があちこちから聞こえる。一区切りをして、授業が、中心教材の音読から始まる。

▼主体的・対話的な授業が大事というようになってから、ペア学習、グループ学習が盛んになってきた。「これからペア学習を始めます。時間は5分です」という風景を多く見る。形式か内容かという議論もある。

▼1枚の用紙を2人で作り上げる、言葉を次々生み出す学習内容。キャッチボールのように言葉が行き交うことから学習活動の大事さを「しりとり」を楽しむ子ども姿から学んだ。(吉永幸司)