自然な相手意識と甲斐のある目的意識
岡 嶋 大 輔

 6年生の教室。これまで、1年生の子とは、給食の準備や後片付け、掃除の仕方を教えることや、縦割り活動で遊ぶこと等でたくさんかかわりを持ってきた。その結果か、休み時間に、お互いの教室に遊びに行く姿もよく見られ、微笑ましい。
 今回、パンフレットという形を借り、学校の先輩として1年生の子に役立つことを教え、より楽しい学校生活を送ってもらおうと学習に取り組んだ。

 まず、どんなことを教えようか班で相談し、一斉の場で班ごとの内容を調整した。
 ・2、3学期に待っている楽しい行事
 ・学年ごとの、お楽しみ行事や学習
 ・やってみよう、楽しい遊び
 ・雨の日の楽しい過ごし方
 ・まわりの人とどんどん友だちになろう
 ・すてきな給食の時間の過ごし方とマナー
 ・登下校中に見かけるすてきなお店
 ・気を付けた方がいい危険な場所
 自分がこれまでの学校生活で経験的に学んだり、教えてもらう等してよかったと思った内容であろう、どれも1年生が興味を持ってくれそうである。

 内容が決まれば、次は取材。班の中で自分たちの経験を語り合ったり、まわりの友達に聞いたり、本で調べたり、家や近所で聞いてきたり、インターネットで調べてきたりして情報を集め、どの事柄をパンフレットに書くか決めていった。
 パンフレットを書き出す前には、見出しやリード文、キャッチコピー等の割り付けについて教科書の例を見ながら押さえた。また、どんなことに気を付けて書けばいいかを出し合い、確認した。習った字で、易しい言葉で、丁寧に、大きめ濃いめの字で、イラストや写真を入れて…とたくさん出された。キャラクターが解説しながら進める等、さらに読みやすい工夫も出された。
 また、構成については、B5半分程度の紙を使いながら、ページ数を決めたり、何を書くか分担したり、書式を統一したり、綴じてみてでき上がりをイメージしたり等した。各班、かわいい「ミニパンフ」ができあがった。

 本番のパンフレットを書いている時も、作ったキャッチコピーを聞いてもらう姿、文章の書き方を相談したり、確かめたりする姿など、かかわり合いながら作り上げていく姿が多く見られた。
 「1年間を通じた交流の1つ」としてパンフレットを作ったことは、自然な相手意識を生んだように思う。また、「先輩として教える」ことは、彼らにはぴったり合い、甲斐のある目的意識を生んだのだと思う。
(野洲市立野洲小)