広がる つながる 私たちの読書
北 川 雅 士

 国語科の学習で「広がるつながる私たちの読書」(光村図書5年「銀河」)に取り組んだ。6月の研究会で資料を作らせていただいたものをベースに単元の学習計画をたてた。
 本単元では相手や目的に応じて、いくつかの表現の方法の中から、自分の薦めたい本を「読んでみたい」と思ってもらえる表現を選択することで、児童が主体的に学習に取り組む姿を大切にしながら指導した。今年度担任する学級の児童は、読書に対して非常に意欲的である。この単元を通じてこれまでの読書経験を振り返るとともに、新しいジャンルの本を読むきっかけにしていきたいと考えた。

 学習のおおまかな流れは以下のようにすすめた。
@ これまでの読書経験を振り返る。
A 本を薦める方法について考える。
B 「誰かに薦める」という目的で「千年の釘にいどむ」を読む。
  「千年の釘にいどむ」の何をどのように伝えたいかを選ぶ。
C 自分のおすすめの1冊をどの方法でどのように伝えるかを考えて選んだ表現方法でまとめる。 D 作品を交流する。

 導入の段階で、教師のブックトークに加え、本の帯・リーフレット・ポップ・ポスターを写真や実物を見て、それぞれの良さを交流した。児童の中ではポップに魅力を感じる子が多かった。そして、4つの中から1つの方法を選び、「千年の釘にいどむ」を読んだ。「千年の釘にいどむ」を薦める作品を交流した後、学級全員の作品の中からみんなで、「これなら読みたい」と思えるものを選び、なぜ読みたくなるのかを話し合った。児童からでてきたのは、
 ・見やすくてきれいに作られている。
 ・絵
 ・キャッチコピーや引用した言葉がうまい。

 はじめは、絵や色に注目していた児童たちも、友達の作品をじっくり見ると、書かれている言葉が読み手を引き付ける大きな要因であることに気付きはじめた。さらに、本の内容に深く触れず、手に取りたくなるような言葉を選ぶ難しさを感じ始めた児童も見られた。これまでにも本を紹介する学習経験はあったものの、「友達に読んでもらえるように薦める」という学習は、学級の読書活動を広げるきっかけになりそうな学習活動になった。

 今回の学習で、友達に進めている本をみても、学級の子供たちが読書が好きだということがよく伝わってきた。この学習で学んだことに加え、ビブリオバトル等にも取り組み、さらに読書生活を広げていきたい。
(彦根市立城南小)