新聞を読もう
北 川 雅 士

 今年度は5年生の学級担任として国語科を指導している。5年生の教材で『新聞を読もう』(光村図書5年)という教材の学習に取り組んだ。学習の流れは以下のように進めた。
 (1) 新聞一日分を自由に読み 学習計画をたてる。
 (2) 新聞の一面に注目して読む。
 (3) 2つの記事を読み比べる。
 (4) 興味をもった記事をテーマごとにまとめる。
 (5) まとめたものを交流する。

 まず導入で驚いたのが、学級の約三分の一の児童が家庭で新聞を定期購読していないという実態である。中には初めて1日分を読んだ(スポーツとテレビ欄しか読んだことがないらしい)という児童もいた。子供からは、
「もっと新聞が読んでみたい。」
「どんな記事があるのか読みたい。」
「おもしろい記事をさがしたい。」
という声がたくさん聞かれた。そこで、学習のまとめでは、「一人一人が興味を持った記事を自由にもち寄り、記事の内容が似ているもので模造紙にまとめて交流する」という学習を設定し、導入の日から興味をもった記事を残しておくように声をかけた。新聞を定期購読していない場合は、学校に届く新聞から探して切り抜いてもよいことも伝えた。

 すると、次の日から朝教室での第一声に、
「先生、○○のことが新聞にのってたよ。」
「先生、今日の一面は○○やった。」
「家でお母さんと面白い記事探した。」
という声が聞かれるようになった。また、他の子が読まないような記事をあえて読んでみんなに知らせようとしている子や、休み時間に友達と新聞を読みながら話をしている姿も見られた。学級の中にも新聞に対しての興味・関心が少しずつ高まってきたようである。

   時代の流れからか、新聞を読まなくてもテレビやインターネットのニュースサイトで簡単にその日の話題を知ることができる。そのような時代だからこそ、もっと新聞に興味をもち、新聞の面白さをこの学習で学び、今後の生活に生かしてくれたらと思う。学級で高まっている「新聞っておもしろい」という思いが継続していくように努めていきたい。
(彦根市立城南小)