筆者の考えをとらえ、自分の考えと比べて書こう
北 川 雅 士

 『自然に学ぶ暮らし』(光村6年)の学習に取り組んだ。この教材では「資源の利用の仕方を見直すと同時に、自然の仕組みを生かした新しい暮らし方を一から考えていかなければならない」という筆者の考え方について自分はどのように考えたのか、そして自分の考えに基づいて事例をまとめ、プレゼンテーション形式で友達と交流した。児童は要旨をまとめた後で、筆者の考えと比べた自分の考えと、本から見つけた事例をまとめた。交流する際には、@筆者の考えと比べながら自分の考えを書く、A自分の考えについての事例の紹介、という構成で文章をまとめて交流した。

 児童がまとめた事例の一部
○自然に学ぶ暮らし方の提案をした事例
 ・微生物の力をかりた新しい浄水と発電の方法
 ・サメの肌を活用した道具の開発
 ・ヤモリの手の仕組みを利用した滑りにくい製品
 ・胃液の働きを利用したゴミ処理
 ・ホッキョクグマの毛の仕組みを利用した熱が逃げない服
 ・オニオオハシのクチバシの構造を利用した軽くて丈夫な素材
○筆者とは異なる方法で新しい暮らし方を提案した事例
 ・再生可能エネルギーについて
 ・社会を自動化、機械化していく
 ・リサイクルについて(アメリカにあるリサイクルしたものと土で作られた家を例に)
 ・蒸気で発電
 ・振動発電と雪氷熱エネルギーの活用
 ・超伝導の活用
 ・宇宙太陽光発電

 12月にさざなみ国語教室の例会で教材研究を行った際には、言語活動を「本の帯」に設定していたが、教材研究の場で様々な意見をいただいたことに加え、学年の先生方とも相談したところ、「本の帯でのゴールがイメージしにくい」という話になり、言語活動を変更して実践した。
 学習活動の様子を見ていると、何冊も本を読み、事例を探したり、お互いの考えを聞き合う中で意欲的に活動する姿が見られた。また、課題解決が難しいときに自然とペア学習が生まれたり、交流の中で友達の意見を参考に課題解決に向かおうとする姿が育ってきている様子が見られた。

 今回の実践を振り返り、言語活動をどのようにするかを優先で考えるのではなく、「筆者の考えをとらえ、自分の考えと比べる」という単元の目標を学ぶための単元計画が大切であることを改めて感じた。今年度の実践を通して学んだことを来年度以降の国語科の授業作りに生かしていきたい。
(彦根市立城南小)