「しごと」と「つくり」をつないだ文をつくろう
海 東 貴 利

「時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内容の大体を読むこと」と「文章の中のから、必要な言葉や文を書き抜くこと」を単元の目標に、事物の仕組みなどについて説明した本や文章を読む学習をした。

 単元の後半ではじどう車図鑑からお気に入りの自動車を選び、「しごと」と「つくり」を比べて読んで、『なるほど!じどう車ものしりカード』をつくる学習を行った。その学習では、図鑑から必要な事柄を抜き出した後、「しごと」と「つくり」を自分で再構成して書かなければならない。また、その2つの観点が「そのために」でつながっていることが認識できなければならない。
 カードをつくる学習では、資料から見つけたつくりが何のためにあるものなのかを確認し、しごととつくりの関係を考え、「そのために」を使って文と文をつなぐことができるようにした。

 「はしご車」が載っている図鑑を資料にして、カードをつくる学習をしたときのこと。資料には、はしご車のひみつとして、特徴的なつくりが載っている。資料として使う図鑑は、当然のことながら「しごと」にぴったりの「つくり」が、1年生に向けに分かりやすくレイアウトされていて、「はしご、そうさせき、アウトリガー、バスケット」といったはしご車のつくりを抜き出すことが可能であった。そこで、この資料に、教師がさらに「タイヤ、フロントガラス」を付け加え資料を加工することにした。そのつくりの説明も左のような「そのために」では、「しごと」と適切につなぐことができないものを加筆した。  タイヤ…大きくて、じょうぶなタイヤがまえとうしろについています。
 フロントガラス…大きなガラスでできているので、まわりのけしきがよく見えます。

 グループで学習するとき、この教材を使ったことで、次のような話し合いの様子が見られた。
C1 カードに書くときは、「(そのために)まわりのけしきがよく見えるようにフロントガラスがついています。」にしよう。
C2 フロントガラスは、書かなくてもいいんじゃない。
C1 どうして?
C2 はしご車は、高いビルから人を助けたり、下ろしたりする仕事だからフロントガラスって、つながるかな?
C3 ぼくも、そう思った。はしご車にはフロントガラスはついているけれど、他の車にもあるよ。
C2 はしご車にしかないものを選んだほうが良いと思う。
C3 なるほど。はしご車にしかないものをつないだらいいんだよ。
C1 そうすると、タイヤもいらないってことだね。なるほど。

 元の資料に加筆したことは、しごとと見つけたつくりを単純に「そのために」でつなげばよいと考えていた児童にとって、なるほどと思わせる手立てになった。この学習により第3次で自分が選んだ自動車についてカードにまとめる学習では、しごととつくりの関係についてじっくりと考えることができるようになった。
(高島市立マキノ南小)