▼詩人高丸もと子先生と出会う機会があった。話を聞いていると夢の世界に引き込まれていく。ある日のこと、上等のバッグから大根を出された。その大根は根が何本も生え、互いに絡んだ変形である。「いいでしょう」「かわいいいでしょう」とおっしゃる。それほど珍しい形でなく世話をした畑ではよく見る大根。しかし、大根に耳を傾けると次の言葉が聞こえてくるという。

▼シンクロで優勝して/ひまなときはかたつむりになって/ゾウの気分でおでかけして/冠をかぶっった王様にもなっていたんだ/土の中では毎日が楽しい気分/だからぼくはこんな根っこなんだ

▼多くを説明しなくても、詩の作り方が理解きた。「どんまい音頭」は元気がでる詩として紹介された。

▼運動会でよういどん/一等だと思ったら/反対向いて走った/あ〜あ/どんまいどんまい 気にするな

▼「どんまいどんまい 気にするな」という言葉で元気が出てくる。面白そうなので授業をした。予想を超えて次々と作品を発表する子ども達。一緒に「どんまどんまい」と言い合うのも楽しい。詩とは、自然や心を見つめて上等の言葉で飾るものという概念があったがそうではない。心を開き表現を楽しむこと、詩心はどの子もが持っていること、詩の面白さに目を向けることの大事さに気づかせるのも教師の大事な仕事であろうということが分かってきた。(吉永幸司)