たがいの意見を聞き合って、考えを深め意見文を書こう
北 川 雅 士

 国語科の学習で『意見を聞き合って考えを深め、意見文を書こう』(光村図書6年創造)という学習に取り組んだ。教材名は『未来がよりよくあるために』。6年生として未来の社会がどのようになってほしいか、どのような未来にしたいか、そのために何ができるのかを、現在の社会や身の回りのことに目を向けて考え、意見文としてまとめる。導入では以下のように学習計画をたてた。

(1) 「どのような未来にしていきたいか」自分の考えを書き出す。
 →書き出したものの中から大切にしたい一つを選び、その根拠となりそうな情報を学校図書や新聞で調べる。
(2) たがいの意見を聞き合って、考えを深めよう。
 →自分の意見とその理由を発表し、質問や助言をして交流する。
(3) 意見文の構成を考える。
(4) 意見文を書く。
(5) 意見文を読み合う。

 昨年度学習した反省から、今年度は交流の場面に重点を置いて学習をすすめた。その理由として、「今年度担任している児童には自己中心的な考えをもつ児童が数名いるため、多様な考えに触れて考えをふかめたい」「意見文を書くにあたって、文章のなかに他者の考えを受け止めた上での考えを書いてほしい」といったことなどが挙げられる。

 また、交流をする時間には、質問するときによく使う言い方「具体的に言うとどういうことですか」「例えばどういうことですか」「つまり〜どういうことですか」という聞き方の使い方を確認した。交流した後の児童のふりかえりを読むと、「自分は知っていることでも、知らない人がいることがわかったので意見文を書くときには説明を加えたい。」「自分では当たり前だと思っていたことがそうではないと言われた。」「質問されて答えられないことがあった。」「自分の言いたいことが伝わらなくて困った。」といったことが書かれており、意見文を書くまでにそれぞれの児童が交流をふまえて「どうすれば伝わるか」を考えることができたことに加え、「自分とは違う考えをどう受け止めるか」について考えることができたように思う。

 昨年度の実践では、「説得力のある意見文を書くためにどのような指導が必要か」という点を考えた。その中で考えたのが、グループでの交流を通して「こうすれば伝わるんだ」というヒントや「こんな風に考える人もいるんだ」を友達から学べるよう、交流を中身の濃い活動にしておけばよかったという反省からである。中学生に向け、国語科やほかの教科の学習を通じて自分の意見をもつときには周囲の人の考えを聞き合いながら、自分の考えを深めていけるように今後も意見交流の時間を大切にして授業を計画していきたい。
(彦根市立城南小)