ビブリオバトルをしよう
蜂 屋 正 雄
読書活動の一環としてビブリオバトルに取り組んでいる。1学期は「広がる、つながる、わたしたちの読書」で「千年の釘に挑む」を共通教材として、ビブリオバトルの手法で本を紹介する学習を行った。今回はそれに引き続き、夏休みに出会った本から1冊を選び、ビブリオバトルを行った。 学習の流れとしては、(全3時間) (1) 班でビブリオバトル 3分で本紹介+2分で質問を行い、班の中で一番評価の高かったもの(読みたくなったもの)を選ぶ。(1時間) (2) 学級でビブリオバトル 班の代表8名で、学級32名を前に本の紹介をする。学級で読みたくなった本に投票し、一番のチャンプ本を決める。(1時間) (3) 学年でビブリオバトル 各学級2名の代表が学年でビブリオバトルを行い、チャンプ本を決める。(1時間) という順序で行った。既習の学習でもあり、復習なしてもスムーズに進めることができた。 聞く場面のほうが多い学習であるが、「良いところ」をメモに残すことで、次回の自分のビブリオバトルにいかせるようにしたい。 題材は、夏休みに宿題で出した「5冊の読書」の中から一番面白かったものを紹介した。 学級代表として「思い出のマーニー(ジョーン・G・ロビンソン)」「君の名は。(新海誠)」が選ばれ、学年バトルに進んだ。学年では「帰ってきた犬ジロー(綾野まさる)」「うさぎの目(灰谷健次郎)」「銭天堂(廣嶋玲子)」「アカネちゃん(松谷みよ子)」であった。 まだまだ、絶対的に経験回数が少ないため、聞く機会が増えるほどに話しぶりがうまくなる。1学期の実践でもそうであったが、学級や学年でのビブリオバトルでは、自分の前の発表者のいいところを自分の発表で使うといった様子が見られ、発表機会の多い子ほど発表の仕方もうまくなっていく。 ○語り口調 クイズや質問で始める。 ○心に残った場面は。 ○心に残ったセリフは。 ○あらすじを言ってから本の魅力を話す。 ○一言でいうと。 ○ スポーツをしている人にお勧めの本です、などの表現を入れられるようになってきた。 【この取り組みの成果】 ◎ 友だちの趣向がわかる。 仲のいい友だちがこんな本を読んでいる。また、それほど仲の良くなかった友だちが自分と同じ本を読んでいた。など。 ◎ 話すために読み込む 好きで読んだ本であるが、人に紹介するためにもう一度読み、自分の言葉で言語化する。語彙や思いを表す言葉を獲得する。 ◎ 読書活動が広がった 大人のブックトークよりも、本の幅を広げるには効果があっり、お互いの本を読みあう姿があった。 【本を紹介するうえで見えてきた課題】 ○ 伝えたい、という思いの有無や話のうまさが出てしまう。読む力、本の魅力とは別に、本が魅力的に聞こえる。 ○ 本戦ではあまり質問が出ない、班での発表ではたくさん出ているようである。どんな質問が「いい質問なのか」という統一認識が特にないため、すべき質問かどうかという点を探っているように見られる。 読書のきっかけを作る、という段階の子もいれば、読書の幅を広げるという段階の子、人生の疑似体験をするという段階の子どもまで、読書生活の段階はそれぞれであるが、3学期は伝記物語でビブリオバトルを計画している。 (草津市立矢倉小)
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