グループで音読、教え合い
岡 嶋 大 輔

 31名の5年生の学級。3、4人の8グループを構成して学習に励んでいる。
 私が大切にしたいことの一つに、学習の際、この「グループ」を活用するということがある。グループで学習を進めることで、一人ひとりが友達に話す機会が増え、そのことによって、自分の考えを持って学習に参加する意識が強くなると考えるからである。

 「大造じいさんとガン」(光村5年)を扱った単元の序盤。本文をすらすら読めるようにしようと、グループ内で、句点で区切り順番に音読する時間をとった。最後まで読んだグループは私に合図を送り、読む順番を変えて2回目の音読をするようにした。全てのグループが1回目を読み終えたら、そこで音読の時間は終了とするようにした。
 このような形だと、グループで音読をしている間、私は、順番にではあるが、一人ひとりの音読の様子をじっくりと見て回ることができる。そして何より、詰まったり、間違った読み方をしてしまったりした友達がいた時に、「あ、それ、『うんとこさ』で一つの言葉と思ったらいいよ。」「それは、『かべん』って読むよ。」といったように、気軽に教え合える空気が流れているのがいい。さらには、私がそれらのやりとりを把握しやすく、音読の時間の後に、その教え合いの素敵な姿を学級全体に紹介することができるのもよい点である。

 授業の中での、その他の音読の形としては、「学級全員で先生とともに音読する」「句点ごとに一人ずつ交替して学級全員で回して音読する」「学級全員が一斉に自分の速さで音読する」「ペアで句点ごとに交替して音読する」等々と数多くある。それぞれの長所と短所を考えた上で、学級の実態に合わせて、音読の形も決めていくことは大切である。

 単元の中盤でも「大造さんの心情が想像できる情景描写を探しながら音読をしよう。」といっためあてを持って、グループで音読するようにした。「ここ、大造さんの気持ちを表す情景描写だと思う。」と立ち止まって確認しながら進めるので、一人では考えにくい子も頷きながら参加できた。
 このように、多くの学習場面で、グループで考える時間を取り入れるようにしている内に、学級のみんなも慣れ、教え合いの風土もできつつあるように思う。
 今後は、友達の考えを詳しく聞き返したり、友達の考えと関わらせて話したり等、少し能動的な意識を持って学習できるようにしていきたいと考えている。
(野洲市立野洲小)