「め・じ・と・ま」で授業力を
杉 澤 周 一
 本校も例にもれず経験年数が少ない教員が非常に多い。昨年度末の学校評価で、切実に「授業力をもっと身につけたい」という願いが多数を占めた。
 滋賀県や東近江市が学力向上策を推進する上で、どの教科の授業構想や学習展開においても「め・じ・と・ま」を大切にしようと呼びかけている。本校では,本年度は切実な願いに応え、これを内容とし実践的な研究に取り組むことになった。

「め・じ・と・ま」は、基本的な授業展開の頭文字である。
【め】めあてをもつ学習活動
【じ】自力解決や自分の思い・考えをもつ学習活動
【と】友だちと交流し共に学び合う学習活動 ペア・小グループ・一斉学習 
【ま】まとめの学習活動

 どの授業においても【め】【ま】はあり,【じ】【と】は多くの授業内容に応じて工夫して展開することになるだろう。今,本校で各展開で、国語科においては特に次のようなことを大切にしようと話し合い実践に生かしている。

【め】この導入段階において,個々と集団が,学習目標と内容,方法などに向き合い,関心・意欲とともに学習の見通しを持たせる。興味,必要感とともに関心・意欲を喚起し,主体性を引き出したい。目標の焦点化,明確化は,わかりやすさ,子ども相互や教師の評価が的を射たものになり,学習成果につながりやすいと考えられる。

【じ】学習テーマや課題,発問について,理解,思考・判断・表現等の学習活動をする。教科書を読んで考える,問題を解く,線を引く,印をつける,ノートに書く,観察をする,メモをとるなどの個々の学習活動。この学習機会を保障して個々の学びの土台づくりをして集団学習につなぐ。

【と】ペア・4人グループ,一斉による理解,思考・判断・表現など,話し合い聞き合い,発表などの交流の学習活動。本校においては,「ひびきあい まなびあい」と名付けて,複数で学習し合い,考え・思いを広げ深める,自信・安心,確かさを得る,新たな疑問や課題に発展する,結論を得る,真実に迫る,創造するなどにより,個々の学びを変容させる集団学習の機会とする。特に,「話し合い」は、課題に応じて話し合い方が違 うことを念頭に丁寧に指導する。

【ま】学びをふり返り,できたことわかったことなど学びの変容を自覚する。本文をもう一度読んで確かめる。もう一度,類題を解く。わかったことをノートにまとめる。目標と内容に照らし,それらに応じた学習活動で,自分の変容を覚し,メタ認知をできると力の定着につながると考えられる。また、「まとめ」の段階の学習は,もう一度読むことや書くことを通して「めあて」に照らし学びの変容を自覚できるようにする。

 これらの学習活動において,ノートを通して個々の学びの変容が自覚できることを大切にしようとしている。課題を明確にし個々の考え・思いを書き,【と】の学習活動「ひびきあいまなびあい」で,補充,付け加え,変える,新たな疑問・課題,削除,もう一度書き直すなどにより変容し,まとめの段階でその学びを自覚できるようにする。国語のノートならば,右から左のページに,個→交流→個の記述がくり返えされ,その流れ をふり返り,最後の個々のまとめの記述などで変容を自覚できる。
(東近江市立八日市西小)