なやみの相談作文
三 上 昌 男

 最上級生の6年生に、下級生の悩みについて、自分の体験や考えをもとにアドバイスの文章を書く学習。名付けて、「なやみの相談作文」である。

【相談例】
 わたしは、わすれ物が多いです。学習道具では、リコーダーと習字セットをわすれることがよくあります。雨の日、学校に持って行ったかさを家に持って帰らず、次の雨の日にわすれたことに気がつきます。わすれ物をへらすよい方法を教えてください。(3年)
(学習展開例)
@相談例の回答について全体の場で考え合い、ポイントを確かめる。
A相談1〜6について、個々に選んで回答する。(1人2つ)
B相談ごとにベストアンサーを担当グループで決める。
Cベストアンサーを紹介する。
相談例をもとにした学習では、アドバイスのポイントを絞ることと相手の学年や気持ちを考えて、ていねいな言葉で答えることを確認した。

【相談1】
 学級のお楽しみ会のみんな遊びの計画を、遊び係で話し合っていました。「大なわとびにしよう」とわたしが言ったら、ほかの子たちが、「ドッジボールがいい」と言って聞いてくれません。前のお楽しみ会もドッジボールだったので、ちがうことがしたいのですが、どう言ったらさんせいしてくれるでしょうか。(3年)
【相談2】
 わたしは、学校から帰ると、友だちと遊びます。それから宿題をするのですが、時間ばかりすぎて、ぜんぜんやる気がでません。学校で勉強しているので、家ではあまり勉強したくないです。どうしたらやる気がおきますか。(4年)
【相談3】
 わたしには、好きな子がいます。この前席がえがあって、その子ととなりになりました。うれしいはずなのに、きんちょうして話ができません。どうしたら仲よく話せるようになれますか。(4年)
【相談4】
 わたしは、まい朝、なかなか起きられなくて、いつもお母さんにおこられています。夜は、ねむくなるまでテレビを見ていることが多いです。朝、ぱっとおきられる方法を教えてください。(2年)
【相談5】
 わたしは、友だちとちょっとしたことでけんかをすることがあります。その後、仲直りができず、次の日もいやな気分ですごすことが多く、顔を合わすのもさけてしまいます。どうすれば、仲直りがうまくできるでしょうか。(5年)
【相談6】
 わたしは、鉄ぼうがにが手です。逆上がりができなくて困っています。練習してもできそうにないので、休み時間に鉄ぼうで遊んだことはありません。でも、本当は逆上がりができるようになりたいのです。どうすればいいか教えてください。(3年)

 1人2つ選んで回答を書くことにしたことで、1から6まで全部の相談への回答が集まった。担当グループを決め、グループみんなで集まった回答を読み合い、ベストアンサーを1点選ぶ話し合いをした。じっくり話し合い、慎重に選ぶ姿が見られた。
【相談1の回答例】
 クラスのみんなに、どっちがいいか聞いてみたらどうですか。両方の言い分を聞いてもらって、多数決で決めたらいいと思います。大なわとびがよい理由をしっかり言えば、多くの人が賛成してくれると思います。
【相談5の回答例】
 早く仲直りするには、顔を合わすのをさけたりしない方がいいと思います。相手をさけると、いつまでも仲直りできず、そういう関係が続くと思います。そうならないために、自分の気持ちを相手に伝えて、相手の気持ちを聞くことです。そして、自分が悪かったところは素直に認めて、自分からあやまることです。そうすれば、早く仲直りできると思います。
(近江八幡市立八幡小)