タブレットを使って俳句を作ろう 〜季節の言葉(光村5年)〜
蜂 屋 正 雄

 春の言葉に引き続き、夏の言葉でも俳句作りに取り組んだ。当日はあいにくの雨だったが、梅雨らしいものを俳句作品にしようと取り組んだ。
 今回は、ICTの活用も兼ねて、
(1) 教科書を読み、季節を感じる言葉を季語ということを思い出す。
(2) タブレットを持って教室を出て、季節感のあるものを撮影する。
(3) 教室でタブレット画像を見ながら一句ひねる。
(4) 「オクリンク」というソフトウェアを使い、画像と句をつなげる。
(5) 「提出箱」に作品を提出し、共有、閲覧する。
という計画を立てて、学習を進めた。
 子どもたちは雨の中、雨にぬれる動植物、人などに注目して俳句作品づくりに取り組んだ。今回は特に季語については触れなかったが、雨・梅雨といった言葉を入れて季節感を出そうとしていた。

 後日、全員分をプリントアウトし、句会を開いた。気に入った句を5句ずつ選び投票を行った。上位の句は以下の通りで、雨の日の様子を瑞々しく読んでいるものが選ばれた様子である。
  ふと見れば 葉っぱに水滴 きれいだな
  梅雨の中 花々楽して のびてゆく
  雨がふる しずくポタポタ 水たまり
  鉄棒に 水がしたたる 梅雨入りだ
  葉の上に 雨つぶ落ちる 梅雨の朝
  雨がふり かえるがぴょんと 喜んだ
 季語の重なりや表現の重複など、もう少し推敲をしたいが、次回に生かしたいと考えている。

 今回、タブレットを使って写真を見ながらの活動であった。タブレットによる活動の利点は、大きな画面で切り取ったシーンを見られたこと。写真と俳句を関連づけて保存、提出、共有ができたことである。この季節らしいワンシーンを切り取り、見ながら作ることは苦手な子にとっても取り組みやすい方法であると感じた。直感で切り取った絵に説明を書き加えていくようなイメージで、一枚の写真を使って物語を想像するような活動とも似ていて、楽しみながら作ることができた。
 共有などのスキルに関しては、タブレットの機能を使いこなす過程が必要である。まだ回数を重ねないとそこまでのレベルには達していない。今後、他教科でもいかせるよう「オクリンク」による共有する活動を積み重ねていきたい。
(草津市立矢倉小)