春の楽しみを五七五で 〜「きせつの言葉」をきっかけに〜
西 村 嘉 人

 今年度は、五年の理科の出授業の他に、三年の教室でも週三〜四時間授業をさせてもらえることになった。教科を特に限定せず、担任の週予定の通りに様々な教科の授業を進める役割である。(初任者研修時間の補充として)
 算数の授業がしばらく続き、ようやく国語の授業をする機会を得た。教材は「きせつの言葉〜春の楽しみ」である。担任であれば、この学習をきっかけに「きせつの言葉のポケット」を作って語彙を広げる年間の帯単元が仕組めるところである。しかし、一時間の入り授業である。
 導入でいきなり、「春の楽しみ[    ]」と板書した。
T [ ]に行事やできごとの名前を入れてみよう。
C お祭り。
C 入学式。
C 始業式。
C お花見。
C バーベキュー。
 しばらく思い思いに言葉を発表させる。途中から「どうして」と尋ねて、答えられる子どもには続けて話をさせていった。

 自由に発言をさせたあと、いよいよ本時のねらいを示した。
「春の楽しみ」を五七五で表そう。早速、子どもたちから「五七五ってなに?」の質問が出てきた。
T 聞いたことがあると思うんだけど、こんな言葉のリズムです。なになにな なになになにな なになにな。
と、音のリズムを子どもたちにくり返し聴かせた。
C 知ってる!
C 聞いたことある!
と口々に話し出した。「俳句」「標語」という言葉も飛び出してくる。
 見本に、
「こどもの日 かしわもちを たべすぎた」
と板書し、少々の字足らずや字余りは気にしなくてもよいことを伝えた。後は子どもの勢いに任せた。

  母の日に お手紙一まい わたしたよ
  こいのぼり 友だちの家 見つけたよ
  こどもの日 おにいちゃんと せいくらべ
  バーベキュー 友だちよんだ たのしいね
  うれしいな 早くふきたい リコーダー

 子どもの作品を黒板に板書して紹介した。また、ノート交換をして読み合うことを楽しんだ。出来映えはともかくとして、ほんの少しでも、興味をもってくれたら…。
(彦根市立高宮小)