絵の順番を考えよう
海 東 貴 利
『はなのみち』(光村1年上)の第1時。ばらばらに提示した四つの場面の挿絵の順番を考えることで、初めて読む教材の筋を捉え、これから本文を読み進めていくきっかけをつくることにした。 教材の四つの場面には、次のような挿絵がある。(ア)くまさんが袋を見つけるところ。(イ)くまさんが、りすさんに聞きに行くところ。(ウ)くまさんが穴の開いた袋を開けるところ。(エ)花の一本道ができたところ。お話の流れは、(ア)(イ)(ウ)(エ)の順になる。 教材文を読む前に、この挿絵の順番を考えさせたところ、子どもたちが考えた予想は、二通りの順番になった。過半数で多かった順番は、(ア)(ウ)(イ)(エ)だった。もう一つは、(ア)(イ)(ウ)(エ)で、こちらは少数派。つぎに、そのように考えた理由を発表させて、みんなで考えることにした。 T どうしてそう思ったのか、わけが話せるかな。 C1 くまさんが袋の中の団栗を見つけて、それをリスさんに届けに行ったから。(ア)のあと(ウ)です。 教師とこのC1の対話をきっかけに、このあと、いろいろな意見が続いた。 C2 ((イ)の挿絵をさして)ここに、くまさんって書いてあります。くまさんの家からりすさんの家へ歩いて行ったんだと思います。 T へぇー。よく見つけたね。ほんとだね。みんな気づいたかな。 C3 本当だ。りすさんの家まで、道がある。 C4 (エ)は、なんで花が咲いたのかなって思います。 T さっきの((イ)の)道に、花が咲いているのは、どうしなのかなって、C4さんは不思議に思ったんだって。みんな、どう思う? C5 (イ)の道の点々は、花の種だったんじゃない? C6 くまさんが持っている袋に穴が開いています。種を落としていったから、花が咲いたんだと思う。 T うんうん。(頷く) C7 (イ)は何もないけど、(エ)は花が咲いているから、(エ)の方が後だと思います。 C8 くまさんの袋の中は、何かの花の種だと思います。団栗は、落ちても花が咲かない。 T あー。なるほど。 C9 (イ)は、なにもないし、(エ)は緑が増えているから、春になったんだと思います。(イ)は、冬かな。 T 季節が違うって思ったんだね。へぇー。よく考えたね。春になると、いっぱい花が咲くからね。 C10 カエルもいる。やっぱり、春だ。 T すごいね。(エ)には、ほかに何がいるかな。 C11 きつねです。…… この後、教師が範読し、本当の挿絵の順番に並べ替えた。 挿絵の順番が(ウ)(イ)の順ではなく、(イ)(ウ)であることを確かめるためには、この後の授業でじっくり内容の理解を深めていくのがいいと判断した。この時間は、お話のイメージを広げることにとどめることにした。 次の時間からは、一文ずつ音読しながら、本文の大体の内容をつかむことにした。 (高島市立マキノ南小)
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