学習目標と学習活動 「モチモチの木」
飯 沼 俊 雄

1.学習目標と学習活動について
 学習目標と学習活動について次のような考えをもっている。「モチモチの木」(光村3年)では、学習目標は、
 ○会話や行動を表す文に着目し登場人物の性格や人柄を読みとる。
 ○豆太とじさまの会話の性格や気持ちの変化を整理する。
のようなものであり学習活動は、目標に到達させるために叙述に線を引く、ワークシートやシンキングフレームを活用する等である。
 学習活動は、子ども一人一人が授業で何をしたのかということが分かるものにしたいということ、つまり、学習成果をはっきりとしたいからである。

2.学習目標を検討する
「モチモチの木」の読みをまとめる段階で次の学習目標を示した。
 ○自分が撰んだ登場人物の一番心に残ったところを交流しその人物のみりょくをまとめる。(「言語活動ステップアップ事業」授業研究会)この授業では、主体的に読む力を高めることを大事にしようという考えから生まれたものである。授業における指導の手立ては次の3点であった。
 @登場人物の性格を考え出す時、どの叙述からかということを明確にする。そのために、根拠となる文や文章に付箋を付ける学習活動を習慣づける。
 A付箋の色やメモを基にして、根拠となる文を集めたり分類したりするという活動を通して理解の内容の理解と交流したいことを整理する。
 B登場人物の会話や行動を関係づけられるように、線を引く、矢印で結ぶ等の学習活動を通して、思考を視覚化できように指導する。
 指導の手立てが子どもには分かりやすかったようで意欲的に作品を読み考えを練りあげる授業になった。学習活動が具体的であることが大事であることを感じた。

3.学習目標と学習活動をつなぐ
 授業研究会では、学習目標である「人物のみりょくをまとめる」ということについて指導を受けた。一般に「まとめましょう」と指示をし、「まとめました」という表現で学習成果があったと思い込み、一般的な学習用語であるということに気づいていなかった。授業で考えを交流するとは、
 ○豆太は臆病であるということから読むとこの文章が大事である。
 ○豆太が夜をこわがることを表す文を探すと「くま」が見つかった。
という言葉が行き交うことである。これは、結論を決めて根拠を見つけるときの「まとめ」と結論を決めるために根拠を探す「まとめ」とは違いを表している。「モチモチの木」で「まとめる」とは何かを指導することが大事さと学習目標と学習活動をつなげるという指摘を受けた。
(湖南市立菩提寺北小)