巻頭言
ふやしたいな ゆうきの声
太 田 伸 彦
 本校は、私が着任する以前から「ことばの力の育成」の研究や、重点研究が、エネルギー環境教育、食育研究になっても副題に「ことばの力の育成を通して」という文言が伝承され、研究を進めています。そんな効果でしょうか、ある日、担任が作成する学級通信につぎのような日記がありました。

〜四年生の日記から〜
 「ふやしたいな ゆうきの声」
 体育大会で演じた鳴子踊りのテストの間にドッジボールをしました。ぼくのチームがたくさん当たってしまいピンチでした。ぼくは当たって外野に行くのがいやだから、いつも逃げていました。でも、コロコロボールをキャッチした時に仲間に
「ナイス」
と言われてやる気が出ました。それで思い切って、○○君のボールを受けました。バシッと受けられた時、ぼくにもできると自信がむくむくわいてきました。途中の鳴子のテストでも、自信を持って大きい声を出すことができました。当てられて外野に行った後も積極的にボールを受けました。いつもは外野に行ったら帰れないけど、この時は、また内野に戻って、またボールを受けたいという強い気持ちがありました。内野に戻ってすぐ、ぼくは最後の一人になってしまって
「ナイス」
と言ってくれた仲間のために頑張りたいと思いました。いつの間にかぼくたちは逆転で勝ちました。
 チームに
「すごかったな」
と言われて、とてもナイスと言ってくれたことに感謝しています。
 小さなことでもほめられると、すごい自信になりました。ほめ言葉は「ゆうきの声」でした。

 また、この日記のほかにもほけんだよりに「ふわふわことば」「チクチクことば」の一節が載せられていました。学級だけでなく学校全体の配布物の中にも「ことばの力」の効果について触れているのを目にすることができ、とてもうれしく思います。
 最後に、吉永先生とのメールのやり取りで、私も元気を頂きました。紹介します。
「ご縁は不思議です。一年も二年もご一緒してもそれだけの方もおられます。たまたま、ご縁があり、それがずっと続く方もおられます。ありがたいことです。」
 感謝です。ありがとうございます。
(長岡京市立長岡第四小学校長)