休日に作文を書く
北 島 雅 晴

 かなり以前のことだが、「日曜日作文」の実践をした先輩がいらしたので、まねをしてやってみようと思った。この「日曜日作文」の実践を聞いた時は、「休日にまで作文を書くのはちょっとつらいなあ」と思っていたのだが、「休日だからこそゆっくりと書くことができるのではないか」という考えに変わってきた。

 休日作文には、テーマがある。
「先生、今度のテーマはなんですか。」
週末になると休日作文のテーマが気になる子も多い。
「今回は、自分の得意分野で書きやすかった。」
と、月曜日に報告してくれる子もある。この一年間のテーマをいくつか紹介する。
 ○生活の中のことわざ
 ○このごろ、ふと思うこと
 ○友達を大切にするには
 ○学習作文・算数とわたし
 ○ピンチをチャンスに

 月曜日に子どもたちは原稿用紙を提出するので、まずはわたしが読んで金賞を三作品選ぶ。そしてまえがきを書く。例えば、「生活の中のことわざ」ならば、
  ◇ことわざには、人々の生活の知恵がいっぱいつまっています。
  「このことわざって、なんだか自分にぴったりだな。」と思ったことはありませんか。(以下略)
 金賞三作品の講評も書いておく。そして、表紙をつけ、綴じて冊子にする。冊子が出来上がると、子どもたちは「今回の金賞はだれだ。」と冊子を開いて確かめる。

 このような過程を毎週くり返しているうちに、休日作文の冊子がたまってくる。そこで、交代に持ち帰って、友達の作文を読む家庭学習を行う。「書くのはちょっと苦手だけど、友達の作文を読むのは楽しい。」という子も結構多い。読み終わったら、百字から百五十字程度の感想を書くようにする。


◆みんな自分の生活とことわざとをうまく結びつけていて、読んでいて楽しかったです。特に、あき子さんの「ミイラ取りがミイラになる」というのは、こんな時にも使えるのかと思い、なるほどと感心しました。

 日常生活の中に書くことが位置づいている、書くことが苦にならないといったことを大切にしてきたのだが、この年間を通した「休日作文」の取り組みは、そういった点からも効果があったように感じる。自分の作文を友達に読んでもらうという意識は、(金賞の効果も少しはあるが)書く意欲を高めることにつながる。
(草津市立志津小)