説明的文章における読む力を高める授業改善
〜筆者の説明の仕方を読み取り、その良さを活用する力を高めるために〜
飯 沼 俊 雄

 第20回「新しい国語実践」の研究会(滋賀大会)では、児童が読む目的を明確に持ち、それに応じた本や文章を選択し、内容を的確にとらえる読みができるようになるには、どのような授業改善が必要であるかを明らかにするために、次のことを提案する。
(1) 課題解決型の単元構想にすると、主体的に読む力を高めることができる。
(2) 読み手を意識すると、筆者の説明の仕方を読み取り、その良さを活用する力を高めることができる。

 単元名は、「筆者の説明の仕方を手がかりにして、『ビフォアーアフターBOOK』を作ろう」 〜「すがたをかえる大豆」(光村図書3年下)〜
 本単元では、教材文から筆者の説明の仕方を読み取り、読み取った説明に必要な要素で、関連した本や図鑑を読み、BOOKに表現するという言語活動を取り上げた。

 まず、第一次では、「ビフォアーアフターBOOK」を作るために必要な学習を考え計画を立て、すがたをかえるものについて書かれている本や図鑑などを読もうという意欲を喚起した。教材文「すがたをかえる大豆」を読み、感想を交流する中で、食べ物などの変化に興味を持ち、「不思議だな」「驚くだろうな」などという気持ちを3年生の他のクラスの友だちに伝えたいという思いが出てきた。それらの思いを分かりやすく伝えるためには、筆者の説明の仕方の良さを自分の表現に生かそうという意欲付けを行った。

 次に、第二次では、教材文「すがたをかえる大豆」の中心となる語や文をとらえて段落相互の関係を読み取った。同時に、内容や文章構成を理解したことや書き手の意図を捉えたことをもとに、並行読書を行った。そして、筆者の説明の仕方の良さを自分の表現に生かして、自分が選んだ食べ物などについての「ビフォアーアフターBOOK」を作った。

 最後に、第三次では、「ビフォアーアフターBOOK 」の交流会をした。3年生の他のクラスの友だちの感想をもとに、相互評価を行い身に付いた力や学習の仕方について振り返った。
(湖南市立菩提寺北小)