自分の意見を主張するために
北 川 雅 士

 国語科の学習で『意見を聞き合って考えを深め、意見文を書こう』(光村図書6年)に取り組んだ。未来の社会がどのようになってほしいか、どのような未来にしたいか、そのために何ができるかを、現在の社会や身の回りのことに目を向けて考え、意見文としてまとめる。前回は単元途中だったが、その後意見文を書き、発表会を行った。
 互いの意見を聞き合う段階では、児童が根拠としている内容が、図書やインターネットで調べたことを小学6年生が聞いて納得できるところまで具体的になっていないことにも問題があると考え、意見文を清書する前に、もう一度下書きを読み合い、伝わりにくい表現について意見交換をしたうえで書き直し、清書した。
 本単元の意見文を見ていて目立ったのは、自分の経験に基づいて意見を述べている児童が多いことである、二名の意見文の一部を抜粋して紹介する。

 ぼくはニュースで日本のゴミの問題を見た。日本は五年後にオリンピックが開さいされることにより、世界中の人が集まる。そのためゴミを減らし、よりよい町にしていくことが大切だ。  調べてみて、日本は一番ゴミを出している国だということがわかった。一人一日一キログラムのゴミを出していて、年間一家庭から1.2トンのゴミを出しているそうだ。ゴミを減らすにはどうすればよいのかを調べると『四つのRが大切』と紹介されていた。

 私が海外に行ったとき、たくさんのゴミが落ちていた。日本でも同じだ。水の出しっぱなしや、たくさんのゴミが落ちている。私は今の暮らしが環境の良い暮らしなのか?とあらためて思った。
 環境によい暮らしになるために私は、今自分にできることを考えた。私はテレビで、日本で一番ゴミの量が少ない群馬県のゴミが少ないひけつというのをやっているのを見た。すると群馬県の人々は「まずゴミを 出さないために、すぐペットボトルなどを買わない」と言っていた。


 二人ともはじめの交流では、自分でもわからない難しい用語がたくさん出てくる内容を紹介し、グループのみんななから「わかりにくい」という指摘を受けていた。そのために、Aは本やインターネットで改めて調べ、一日に出すゴミの量や、世界の中で日本はどうなのかという内容に加え、家庭科で学習した内容を紹介することで6年生のみんなに伝わりやすい内容へと変えようと努めていた。
 Bは、自己の海外での経験から感じたことを紹介しながら話すことで、みんなが興味をもち引き込まれる意見文を書くことができた。

 この学習では「説得力」という部分がポイントになったように思う。説得力のある文章を書こうと思うと、調べたことを並べるだけでなく、自己の経験や、具体例をだすことが効果的であることを学べたように思う。これからも意見を述べたり、書いたりするときには「説得力をもたせることができるかどうか」という部分を意識しながら活動できるようにしていきたい。
(彦根市立城南小)