吉永幸司先生の国語教室 in 菩提寺北小
廣 瀬 久 忠

 本校校内研究会に吉永幸司先生をお招きして学ぶ機会を得た。菩提寺北小は「学力は生きる力」を標榜し、国語科を窓口に学びの基礎・基本を身につけ、「学び続ける力」を持つこどもの育成に取り組んできている。
 自己の考えを持ち、深める小集団学習のを含む「学びの湖南市スタイル」をベースに、小集団での話し合いもラーニングスキルの習得により機能的に子どものものとなってきている。
 次時の学習課題を家庭学習の予習に依ることも奏功して、導入の時間を短縮し、考えを深める時間が豊かになってきた。
 ただ、発問と子どもの応答、その切り返しによる読みの深化や板書計画とノート指導については研究による手応えを感じないまま今後の課題として残されていた。

 そこで吉永先生の「読みの模擬授業」と「ノート指導」について学ぼうとした。市内国語主任や湖南市・甲賀市教員にも呼びかけたところ五〇名の研修参加者が集まり、教えを請うことができた。
 模擬授業は、物語文「なまえつけてよ」(光村五年)、説明的文章「すがたをかえる大豆」(光村三年)とわけて学んだ。ここでは物語文について触れる。

 学習内容となる角書きの読み方、題名の読み解き方、冒頭を丁寧に読む方法を学んだ。ふだんなら手を挙げない読みの苦手な子どもが指名され、先生のさまざまな手法で幾度も音読を繰り返し、「ほめてもらえる」単元のはじまりとなるアイディアにはなるほどの声があがる。課題に応じてサイドラインを引かせての声の重なるライン読み等全員が参加し考える場のある読みの指導例が参加者にしみこむ。分かる読みから想像する読みになり、やがて深い読みへと誘われる導きに体験を伴って学んだ。
 さらに読み飛ばしてしまいそうになることばや叙述に着目させて、目標である登場人物同士の関わりへと結びつける読みの指導に教材研究の大切さを痛感させられた。
 加えて、学習の手引きは子どもが自ら学べるガイドであることについて丁寧に教えていただいた。
 ノート指導もはじめは丁寧にマス目に入れて写すことに始まる。句読点も一字一句違わずにである。丁寧さは指示を聞く子につながり、考える子どもにつながり、やがて丁寧に生きる子どもにと昇華する。板書計画が授業前にできていると指導にゆとりが生まれ、整った板書は考える力を育てる授業となる。吉永先生のひとつひとつの重みのあることばが折り重なるように心にしみこんでいく。

 最後に参加者の感想から。
「本当に国語って楽しいと思いました。それと同時にこの楽しさを子どもたちと共有できるかというと頑張りが必要だと思いました。吉永先生から具体的な声かけや進め方の工夫を教えていただきすぐに使っていこうと思います。ありがとうございました。」
 今日の学びを自分の目の前の子どもにどう響かせるのか一人ひとりの思いがふくらみ明日の指導にひらいていることがありがたい。
(湖南市立菩提寺北小)