▼「わらぐつの中の神様」の授業を考えてみた。教科書では、「特色をとらえながら物語を読み、物語をめぐって話し合おう」と学習目的を示している。作品の特色ということは、一つの作品で考えることはできない。そこで、既習の物語と比べるという方法を考えてみた

▼「あめ玉」は5年生で学ぶ最初の作品。「一つの花」は4年生で学んだ作品。「ちいちゃんのかげおくり」であれば、あらすじは覚えているだろうと考えながら「比べる」ことから特色をとらえさせようと考えた。

▼「あめ玉」は登場人物は、お母さんと子ども2人。それに侍。「一つの花」はお父さんとお母さん。それに、ゆみ子。「ちいちゃんのかげくり」は、ちいちゃん、お兄さん、お母さん、お父さんと近所のおばさん。並べてみると家族が登場人物のお話が多い。登場人物やお話のあらすじ、あるいは、題名や山場などを比べながら、「わらぐつの中の神様」の特長は何だろうと考えて読むと、2つの面白さが見つかってくる。1つは、お話の展開を楽しんで読むこと。もう1つは、仕組みや出来事、心の動きや構成や仕掛けを見つける面白さである。

▼既習の教材や、今読んでいるお話と比べることに話題が広がっていくと、次は、お話を作ることに気持ちが向かう。物語を作るために読むという提案もしたい。(吉永幸司)