「新しい国語の授業」研究会
私と本 (その4)〜提案を終えて〜
箕 浦 健 司

 「新しい国語の授業」研究会で、「本は友達〜私と本」(光村6年)の実践を提案した。
 提案の柱は、「単元を貫く言語活動」である。今回は、星野道夫さんの著書を読む並行読書と、お勧めの本を紹介するPOP作りである。

 まず、「POP」とは何の略語かという質問があった。私は、特に調べもせず、「紹介カード」という説明しかしていなかった。自身が重きを置く活動として取り組ませるのならば、きちんと説明すべきではないか、説明することによって、英語への興味も沸いてくるのではないかというご指摘をいただいた。そのとおりであったと反省した。

 続いて、「従来の『読み』を深める授業形態の方が、子どもたちはより言葉にこだわって学べるのではないか、『単元を貫く言語活動』となると、何か最後には大作を作らなければいけないのではないか、いろいろとやりたいことがあって、どれも中途半端で終わってしまうのではないかという疑問を持っていたが、今日の提案を聞いて、そんなことはないんだ、児童の実態から付けたい力を吟味して学習活動を仕組めば、成果が現れるということが分かった。自分もやってみたいと思えた。」 というご意見をいただくことができた。

 また、ある先生からは、星野道夫さんの生涯について、どのように話したのか、著書はどのくらい読んだのかという質問を受けた。今回、並行読書で貸していただいた本については、一通り目を通した。しかし、この先生が紹介してくださった本『旅をする木』は読んでいなかった。その本は、星野道夫さんの生き方がよく分かる本だという。教材研究として、並行読書をさせる前に、作者についてよく知っておくことで、子どもたちに話す内容、かける言葉が違ってくると考えると、星野道夫さんについてより研究が必要であったかと反省した。

 また、「重ね読み」という視点からのご意見をいただくこともできた。共通で扱うのが「森へ」1作品でなく、もう1作品扱って、星野道夫作品の特徴を全体で捉えてから、それぞれの一人読みの活動に入った方がよかったのではないかということだった。今回の実践は、「森へ」のPOP作りの後は、一人読みが中心 となった。個人では星野作品を何冊も重ね読みしているのだが、POP作りの前に、その感想を交流する時間を設けてもよかったのかもしれない。大変参考になった。

 提案後、杉澤先生からは、実践そのものや報告の甘さ等へのご指導を受けた。真摯に受け止めたい。また、「単元を貫く言語活動」や「アクティブ・ラーンニング」について、大変分かりやすくご示唆いただいた。大変ありがたい機会となった。

 研究会の最後には、吉永先生から、
「教室の誰もが、本を読み、よさを見つけ、自分で考えてカードを書いているところに値打ちがある。」 とのお言葉をいただいた。主体的な言語活動。これを念頭に置いての実践であり、大変ありがたいお言葉であった。反省すべきところは反省しながら、今回の実践から分かったこと、研究会で諸先生方から教えていただいたことを、今後の実践に生かしていきたい。
(長浜市立神照小)