第43回国語研究集団合同研究会
提案から学んだこと
北 川 雅 士

 7月25日(土)に神戸市勤労会館で開催された第43回国語研究集団合同研究会に参加した。研究主題は「人間力を高める国語科学習指導〜これからの社会に役立つ言語力を育てる〜」である。今回はこの研究会の場で自分の実践を発表するという機会を与えていただいた。

 さざなみ国語教室のテーマは「主体的な言語活動を通じて学び合う国語教室の創造」。実践したのは「まちのよさを伝えるパンフレットを作ろう」(光村図書6年)である。単元目標を「パンフレットという様式の特徴を理解した上で、集めた事柄を整理し、文章全体の構成や、目次や見出し、リード文、解説文などを工夫することができる」「引用したり、写真や図を用いたりして、伝えたいことが明確になるように書くことができる」「パンフレットについて目的や構成の観点から助言し合うことができる」という3つに設定し、実践したものを報告した。

 報告資料は、毎時間の学習の概要と児童全員の毎時間の振り返り、それに加えて児童の制作したパンフレットの下書きと清書などを準備し、実践したものを報告した。
【学習の流れ】
(1) 自分の町(彦根市)の好きなところを考え、町のよいところや特徴について話し合う。
(2) 様々なパンフレットを見てパンフレットにどのような情報が書かれてあるのかを調べる。
(3) 学習計画を立てる。
(4) パンフレットの構想を考える。
(5) 調べることを計画し、取材したり、見学して情報を収集する。
(6) 集めた情報からパンフレットの構成を考え、目次作成と割り付けを考える。
(7) 下書きする。
(8) 下書きを見せ合い、グループで推敲したり、アドバイスを伝え合う。
(9) アドバイスをもとに修正点を話し合う。
(10) 清書する。
(11) パンフレットを読み合い、互いに助言する。

 研究会では、「学習計画を児童が考えたことは良かった」「指導者が児童の姿をみながら学習をすすめている」「毎時間の振り返りがあり、児童の学びがよく見える」という評価をいただいた。課題となったのは、「内容は多様でも、実際の場に行かず、インターネットの情報をまとめたものが多い」「もっと身近なもの、具体的にかけるといい」という意見に加え、「国語の学習としてのパンフレット作りになったのか」という点であった。それは、子どもたちの編集後記に書かれた内容が国語の学習の学びとして視点がずれていることにあらわれていた。そしてその大きな要因は導入で担任である自分が示したパンフレットのモデルであった。自分の示した編集後記の文章が国語として言葉を意識した内容になっていなかったため、それを見本とした子どもたちの視点もずれてしまったことを研究会で気づかされた。
 今回の研究会で教えていただいたこと、たくさんの先生方から激励の言葉をいただいたことを心にとめて、もう一度今回の実践を振り返り、今後の国語の学習作りにつなげていけるように努めていきたい。
(彦根市立城南小)