第43回国語研究集団合同研究会
「読み」から「活用」「表現」へ
蜂 屋 正 雄

 7月25日に神戸市で開催された第43回国語研究集団合同研究会に参加した。その中で、川西市陽明小学校の阿賀先生の実践に学んだことを報告する。

 提案の大まかな流れは、
(1) 「のはらうた(工藤直子)」を読み、ワークシートを使って読みの視点を示す。
(2) 「のはらうた」の中に出てくる詩を参考に、自分の詩のイメージを持たせ、書かせる。
(3) 作った詩を子ども同士で鑑賞させる。

 4年生の教科書教材(光村)を使って、子どもたちに詩を書かせるという、「読み」から「活用」「表現」への発展を目指した発表であった。  工藤直子さんののはらうたのシリーズは、個性あふれるキャラクターが詩に登場する。子どもたちは、それぞれのキャラクターへ自分の思いを寄せて作品を仕上げていた。

 わたしが創作をさせるときの楽しさは、作品の中に、その時の子どもの思いや願いが込められているということである。だから、何かを書かせるときにはその思いをより適切な方法で書かせたいと考えている。そのあたりのアイデアもいただいた研究発表であった。

 会場での発表や意見交流、助言から学んだことは、

◆詩は様々な文体や技法があるが、ただ、使われているのではなく、その技法でないと表現できないものがあること。教材研究の段階で子どもに伝えられるようにしたい、また、その良さが読み味わうえるよう、時間を取ること。

◆創作活動は子どもの中に持っている思いを出させる活動なので、カマキリで言えば、本当のカマキリの生態ではなく、その子の持つカマキリのイメージに寄り添う指導をするべきであること。

◆鑑賞・交流については、質問と答えという問答になりがちである。一人が感じた疑問や意見に対して、ほかの子どもが「自分はこう思う」というように、聞いていた子ども同士で感じたことを交流しあうことによって、作品の良さを交流し合う方がよいこと。また、最後に作った子どもから感想を述べさせることで、「自分の書いた詩でこんなことを考えてくれたのか」という創作に対する喜びにつながげられること。

などである。6年生の学習でも、取り入れて創作活動を楽しんでいきたい。
(草津市立矢倉小)